先程から青道高校野球部は落ち着きがなかった。そんな深い理由はないが、彼らは少しソワソワしているのである。

「御幸、そう怒んなよ」
「あぁ? 俺は、至って正常だよー」
御幸はそう言いつつ、先輩や後輩やらの視線を目で追った。そこには自分の彼女が居るのである。
まぁ、哲さんとか亮さんとかは試合に集中させろと言わんばかりのオーラを放っていた。それは、俺も同じである。だけど、やっぱり気になるものは気になるのだ。

「後で話してくればいいじゃねぇかよ」
倉持も同じく先輩や後輩やらの視線を目で追い、その後、俺を見た。何か面白そうなものを見つけた時の顔をしていて少しムッとしてしまった。監督が合図を出すまで、俺は、一人、不機嫌そうにベンチに座っていた。
先攻は俺たち青道高校だった。


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