「その詩(うた)をそこまで知っとる奴は初めて見たなり」
ニヤリと笑った彼の目は動揺の色を浮かべながらも、しっかりと私を見ていた
『……私も、知ってる人は初めて見た』
「互いに初めてじゃの」
『そうだな……ところで、あんたは?』
「プリッ」
『…ちょっと』
「そう言うお前さんは?相手に名前を聞くときは自分からって言うじゃろう?」
『…ピヨッ』
「『…………………………プピーナ』」
私と彼の言葉が重なって、私達の間になんとも言えない雰囲気が漂った
街のど真ん中、二人でジーッと見つめ合う私達
周りから見たら変な人なんだろうなー
そのままずーっと見つめ合う内に、どちらともなく吹き出した
「『プッ…』」
「ククククッ……お前さん、面白いのぅ」
『アハハハハッ…ありがとう、私は仁王由依』
「仁王雅治なり」
『名字同じなんだ』
「しかも似とるしの」
「『運命感じるね/のぅ』」
今度は意図的に合わせた節があるから、私達はイェーイとハイタッチした
そしてそのまま手を握って顔を見合わせる
『ここまで合う人は初めて』
「それは光栄…ま、俺も思ったんじゃがな」
「『これからよろしく、親友』」