「お、あれがこの世界の先輩じゃないッスか!?」


とりあえずあの後、私達はそのまま屋上に留まった
神居兄妹は私達の家の準備をしに行った

暇を持て余した私達だったが、グラウンドを眺めていた赤也の言葉に全員が反応した


「マジ!?どこどこ?」

「ほら、あそこの。部室らへんッスよ」


つい、と赤也が指さす先
そこには目立つ赤色と銀色の頭があった

屋上にいる二人に視線が集まる
その二人は居心地悪そうに身じろぎした

なんとも言えない空気が漂うも、皆の意識は部室の近くの二人組に注がれたまま


「あまり違う所はないようだな」

「いや、もしかしたら内面が違うのかもしれないよ」

「っていうか、どっちにしろ私達なんでしょ?違う所なんてあるのかな?」


蓮二と精市と私で考察するも答えは出ず
そもそもこんな世界に飛ばされたのが初めてなのだから

前はモンスター○ンターの世界だったり(赤也、ブン太、雅治が主に先頭に立ってくれた)
私達がアイドルな世界だったり(皆の歌やらダンスやら演技のスキルが無駄に上がった)
なんでか分からないけど、私達で乙女ゲーム的な展開を見せる世界だったり(私がヒロインって……)
他にも皆が新撰組な世界だったり、中世貴族な世界だったり、映画の世界だったりマンガの世界だったりゲームの世界だったりetc...

とりあえず私達は私達だけだった
上手く説明出来ないけど、私達は唯一の存在だった


「変な世界に飛ばされちまったな」

「えぇ、これから大変そうですね」


ジャッカルと比呂志の言葉に空気が張り詰めた

とりあえず、私は全力で皆に謝ろうと思う




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