「由依様、ようこそいらっしゃいました」
視界が真っ白になって着いた場所は屋上
やけに見覚えがある
そして屋上に落っこちた私達の前には一組の男女
「ボクは神居出雲(カミオリ イズモ)です」
「わたくしは神居静袮(カミオリ シズネ)です」
「「この世界を任された神使でございます」」
ペコリとお辞儀する二人
とりあえず、私を受け止めてくれていた雅治にお礼を言って下ろしてもらった
他の皆も動き出した私に倣って動き出した
服を叩いたり、体を痛めてないか確かめたり
その間、二人の神居(二体の神使)は大人しく待っていた
*** ***
私達はなんやかんや終えて地面に座った
「えっと、説明してもらえるかい?」
「はい。それではボクがご説明させていただきます。―――――」
説明を纏めるとこうだ
先日、私達が生きていた世界に異世界から人間が侵入した
不完全な世界だったなら侵入者は受け入れられたかもしれないが、私達の生きていた世界は珍しくも完成した世界だった
完成した世界にとって侵入者は、世界の均衡を崩す恐れがある危険因子…言うなれば、ウィルス
一人や二人なら世界が勝手に弾き出すが、何故か今回は一気に十人ほど侵入した
さすがにそれはテコ入れが必要となり、司君――神様――が動いたのだ
私達の世界の主軸は私達立海や、氷帝などの中学男子テニス部らしく、今回の作業に巻き込まれないように別世界へ送られたらしい
「貴方様方の生活と安全は保障されていますので、今まで通り生活してくださって構いません」
「この世界は貴方様方の世界から派生したものですので、勝手は同じです」
「問題は…この世界にも貴方様方がいらっしゃることです」