「みなさーん、ここで重大発表がありまーす」
そろそろ帰ろうか。と、皆で部室を出たときだった
司先生がそう言ったのは
神宮寺司先生は私達、立海大附属高校の男子テニス部の顧問であり、私達が中学の頃にもコーチとしてお世話になった先生だ
立海三連覇で重要な立場にいた人である
そして立海大附属中学の男子テニス部が全国優勝し続けているのも、立海大付属高校の男子テニス部が全国優勝し続けているのも、彼のおかげと言っても過言ではない
『司君、それって部活の事?』
「こら、由依。今はまだ学校内なんだから先生呼びと敬語!」
『あー…はい』
そして、私の従兄弟だったりする
部室のドアを開けたら司先生
先頭に立ってドアを開けた精市はポカンとしていた
「とりあえず、部室に戻って話聞かねぇ?」
いつまで経っても進展しない現状にブン太は痺れを切らしたのか、ガムを膨らましながらもっともな事を言った
流石テニス部のお兄ちゃんだ
『そうだね、部室入ろっか。……精市!しっかりして!!』
「……あ、うん。部室入ろう」
皆でゾロゾロと部室に入るとき
司先生が何をしたのか、気付いた者は居なかった