「あれ?家の前でどうかなさいましたか?」
『っ!!?』
後ろからかけられた声に肩が跳ねた
「あ、ごめんなさい。驚かせてしまいましたか?」
振り返れば金色
私に声をかけた少年は暖かな笑みを浮かべながら、そこに立っていた
『ぁ……』
はらはらと涙がこぼれ落ちる
懐かしい金色を身に纏った、千景様の面影が微かに残るこの少年を見たからなのか
張り詰めていた緊張の糸が切れたのが分かった
『ぁ…ぁあ……ちか、げ…さま』
少年は突然泣き出した私に、慌てて駆け寄ってきた
そっとはんかちで涙を拭われ、また涙が溢れ出してくる
その優しさが嬉しくて
少年という、千景様との繋がりを感じることが出来て
今までにないんじゃないかってくらい泣いた
そして私達は少年の母親に発見され、風間の屋敷に入った
今思えば……なんとも間抜けに始まった関係だな