『ここが……』


目の前にそびえる大きな門
門の向こう側は純和風

何て言うか、千景様が気に入りそうな屋敷だなぁ…

早苗さんに教えてもらった いんたーほん とかいうのを押してみる


門から出てきたのは天霧みたいな男の人
……頭固そうだなぁ


「何かご用でしょうか」

『風間家当主と面会したいのですが』

「お約束はなさっていますか?」

『…いいえ』

「ならば、お約束をなさってからまたお越しください」


そう言って閉められた門

……ムカつく

確かに私も約束してない奴と千景様を面会させるなんてことはしないけど、屋敷の中に通すくらいはするわよ!?
まったく!!仮にもお客だってのに
どういう教育をしてるんだか!!


『はぁーーーーー……』


長いため息をついてうなだれる

どうしようか
さっきの門番らしき人(?)は鬼だった
だから、ここが千景様の子孫の風間であることは間違いないはず……

雪村は留守だったし
ここ以外に頼れるような所は無いのに

唯一頼れる風間にも、生家の筈の雪村にも、面会すら許されない

今まではどうにか寂しさや不安をごまかしていた
頼れる所が見つかって、やっと安心できたのに

私はまた独りになってしまった
隠していた不安は膨れ上がり、潰されてしまいそうになる

怖くて怖くて仕方がなくて
誰かに縋りたくても縋る相手がいなくて


『千景様……』


…寂しいです




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