黒尾の幼なじみと黒尾の彼女


「えー?私のテツに告白するの?」


やめて欲しいなぁ、とその女は言った。最近クロの周りを彷徨くようになった女。確か半年くらい前だったか。クロをテツと呼んで、クロの大きな手に頭を撫でられていた女。私から幼馴染みを奪った奴。


「告白するのに、権利なんて必要ないわ。だから貴女にどうこう言われる筋合いない」

「違うよ。大事な幼馴染みを傷付けることに心を痛めるテツを見たくないの。だってムカつくじゃん?自分以外の女のことで悩むなんて。テツの女は私だけなのに」


女はそう言って、唇を舐めた。


「アナタも諦めて?転生者サン?」


その言葉と表情にゾッとした。なんで、どうして。女は私を見てカラカラと笑う。


「私のママもそうなんだ。全部教えてくれたの。私の従兄弟翔陽だしね。でもまさかテツが彼氏だと思ってなかったみたいでさぁ?絶対結婚しなさいよって言われたけど、まだ私たち高校生なのにねー」


あ、だからテツも知ってるよ。転生者とかトリップとか。面白いから全部話しちゃった。貴女もそうだってのは、伏せといたけど。

シレッと言う女は確かに整った顔立ちだが、内面はクソだ。なんでクロはこんな女を選んだのだろう。高校生の若さゆえの過ちだとしても、その女の薬指に光る指輪は、確かにクロの想いが込められていた。


back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -