欠陥ヒロイン狂騒曲 | ナノ





世界とは――

「神の誕生と共に造られた、神の存在意義の事であり、それを認知することは人間には不可能だ。
そもそも世界を把握することは神にしか為し得ぬ事だから、世界は人間が語れる次元には存在していない。

敢えて語るとするならば、世界は一つの物語として捉えることができる。
人間の読む小説や漫画、ゲームは作者が他の世界を覗いたことによって誕生する。つまり、小説や漫画やゲームは決して空想の物ではなく、実際に存在している。ただ、その世界は小説や漫画やゲームとして知られている世界とは同一の次元に存在していないために認知されていないだけだ。世界を物語と捉えることが可能であるということはこれで理解出来ただろ。
そして世界は、ある人物、又は集団を主軸とし、その者達にとって、所謂ご都合主義が発生する。

話は変わるけど、世界(物語)には必要な物がある。それは主人公や主人公の相手。世界(物語)により多少差異はあるけど、ライバル又は敵。仲間などなど。問題は、その世界(物語)に必要な物が存在していない世界があるということ。
ちなみに、主軸集団以外は全てが付随品で、価値は無に等しい。でも価値というのは他人がその物に与えるものだから、物語の中心人物、主人公達と関わらずとも価値の有る人間も居ない訳じゃないが…。まぁ、無価値がいくら集まろうと、必要な物にはならないんだよ。
必要な物が無ければ、その世界はいずれ破綻する。

世界の破綻。それはその世界を司る神の死をも意味する。世界が神の存在意義。神としては世界を破綻させる訳にはいかない。だが、世界の物語は世界が、神が産まれた瞬間から決まっている。神でさえ知らないダレカに、ナニカによって。
そこで神は考えに考えに考え抜いて思いついた。必要な物が無いのなら、補填してやろうと。

その結果 PiPiPiPiPiPiPiPi――

…あ?


PiPiPiPiP

…今?暇だから大丈夫。何処?…あぁ、あそこね。今から行くから動くなよ。
うん、…うん。分かった。そんじゃな。


話は終わりだ。もう良いだろ、めんどくせぇ。こんなこと、お前が人間だったら話さなかったよ」



―― とある神様の話 ――



「私と話してたのに、暇だなんて酷いじゃない」


そんな言葉を吐きつつも、“人間じゃない”と神様に言われた女は、離れて行く神様を見て、笑った。眩しいものを見るように。



← →

[TOP]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -