朝練なんて…!!
「おはよ、麗。ありがとね」
『どういたしまして』
平部員は全員起きてて、レギュラーは一部起きていないようだ。
若干精市君が怒ってるけど、文句を言われないことからレギュラーは放置してきて良かったらしい。ほっ…。
「じゃあ寝てる奴らは置いといて、練習始めよっか」
「寝てる奴らは昼の練習を二倍だな」
「甘いぞ弦一郎。三倍だ」
「そうだね、三倍だよ」
あー、後ろに般若が見える気がする。
そうだよ、気がするだけだよ。幻覚だよ。
そう自分を言い聞かせながら、逃げるように仕事を始めた。
怒った精市君マジ怖い。
*** ***
氷皇に頼み込んで仕事は三人でやった。
でも途中で撫子さんが立ったまま寝だした。なんてこったパンナコッタ。ちなみに関係無いが、パンナコッタは食べたことない。
起こす事すら面倒で、結局は二人で仕事をしたんだけど……。
私はただひたすらに氷皇のスペックの高さに驚かされるだけだったような気もしなくもない。
結論を言えば、何のために早起きしたんだろう。である。
皆を起こして、氷皇に『すごーい』って言ってただけだよ。
やっぱりマネに向いてないんだろうな、私。
別に分かってたけどね。マネージャーという名の雑用係りに向いてるのも、ちょっと…って感じだし。
ま、とりあえずアレだ。
『部長、寝ても良いですか』
「ダメだよ」
ちぇっ。