親友は異世界人! | ナノ
終わって、始まる



「あっ!!おっはよー麗ちゃん!!」

『おはよう、姫歌ちゃん。今日も頑張ろうね!!』


ニッコニッコと笑みをうかべて撫子姫歌に対応する
うん、悪い子じゃあ無いんだよ。少なくとも、ぶりっ子とか悪女じゃない

二人してポヤポヤした雰囲気を出せばレギュラーは何も言わない。このときだけは何も言わない
なんでだろね?

後で猪崎に聞けば分かるかな?


「姫歌ー!!」

「なーにぃ?」

「こっち来いよー!!」

「だめっ!これから麗ちゃんとお仕事するんですー!!ねっ?」

『うんっ!だから丸い君は(精々丸いなりに)頑張ってくださいねー』


……丸いから嫉妬の眼差しをいただいた
撫子さんが原因だが…まぁ、悪い子じゃあ無いんだよ。うん、悪い子じゃない(自己暗示)
そして丸いは含みに気付かない!!ま、イントネーション同じにしてるからね。言った言葉が文字にならなきゃ分からないのだよ

丸い…あ、もちろんわざとだよ?

いっつもいっつもウザいから、今日は ふふんっ と鼻で笑ってやりました

ざまぁみやがれ、丸いブタちゃん
ついでに丸いの後ろにいる、意味分かんない言葉を発する奴もね
ベーッだ!!

二人を(心の中で)馬鹿にできたので、この日の朝練は楽しくできました。あはっ


『じゃあね、姫歌ちゃんっ』

「うんっ。またね」


私は先にあがらせてもらって、ルンタッターと猪崎のクラスまでスキップして行けば、待ち構えていたように猪崎が壁にもたれ掛かっている
猪崎はテニス部レギュラーに引けを取らない美貌の持ち主だ
クソッ!!やけに似合って若干ムカつく


『はよー』

「はよ」


当然の様に猪崎はクラスのドアを開けて私をエスコート
猪崎の前の席に座らせていただく

これは毎朝やってること。おかげで付き合ってるって噂が流れてる
私達は気にしてないから放ってるんだけど…最近変な尾ヒレが付いてる気がするんだよねー


「今日は機嫌良いんだな」

『うんぅ』

「…食いながら話すなよ」


そして私はやっと朝食
猪崎直々に作ってくれたお弁当を有り難く頂戴するのです

うまー

猪崎って、良い旦那さんになるよね


『ごちそうさまでした』

「お粗末様でした」

『ん……そういえば高畑ちゃん(情報通な友達)情報なんだけど、また転入生が来るんだって』

「ふーん。今度はどんなだろうな」

『ねー』


次に私が作ったお菓子を二人で食べながらだべる
ひたすらだべる

猪崎はこの為に毎日早く登校してくれてんだって
そういうのって嬉しいよねー
キツくないか前に聞いたら、【お前とだべるの楽しいから苦じゃない】だって!きゃあ!!
あれはマジ嬉しかったなぁ
あの日はレギュラーから何されても気にならなかった。うん


「ふむ。今日はチョコブラウニーか」

「『あっ!!』」


最後の一つがヒョイと消えた
チョコブラウニーの行く先を見れば、テニス部レギュラーの柳蓮二
毎朝毎朝私と猪崎の為のお菓子を掻っ攫っていく奴で、撫子さんにデレデレしてない数少ない一人(何て言うか、親子みたいなんだよね)

仕方ない。チョコブラウニーのことはジュースで手を打ってやろう


「柳、転入生ってどんな奴だよ」

「さぁな」

『使えなーい。お菓子分働けー』

「そーだぞ柳」

「…………はぁ。転入生は名字は美に波で美波。名前は片仮名でアイルで、美波アイルというらしい」



……………………間。



『プッ』

「ククク………ブハッ!!」

「『ギャハハハハハハハ!!!!』」

『アイル……ッアイル!!カタカナ!!!』

「何人だよ!アハハハハハッ!!!」


チラホラと登校してきた生徒が見ているにも関わらず、私達は机をバンバン叩きながら爆笑する

だってだって、そんな名前聞いたことないよ!
本当に日本人!?
もしくはネタでしょ!!


『アハハハッ、苦しっ……』

「ちなみに、このクラスに転入するそうだ」


柳のその言葉にピシリと猪崎が固まる


私も笑顔が引き攣った
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