親友は異世界人! | ナノ
久しぶり



あれから数時間後。
私と精市君は走っていた。

それも担任の所為だ。
私に一人じゃやりきるのに1時間くらい掛かりそうな雑用を押し付けたから。

精市君に手伝ってもらって、何とか終わらせたけど…。
私達が予定していた、バスに行く時間から大分遅れてしまった。


『あっ、バスあった!!』

「ちょっと急ごうか」


精市君と繋いでる手が引っ張られる。
転びそうになったけど、必死に足を動かして隣に並んだ。
荷物は全部精市君が持ってくれてる。
小さめのキャリーバックもあるのに…。
こんなに軽々と走る精市君と、走るので精一杯な私との違いはやっぱりいつもの運動量の差だろうか。


「お待たせ、真田!」


バスに到着すると、そこには名簿を持った真田君と撫子さんがいた。
私は膝に手を突いて息を整えた。精市君は同じスピードで走っていたにも関わらず、少し息が乱れてるだけ。
やっぱりいつもの運動量(以下略

撫子さんが背中をさすってくれたお陰で大分楽になった頃、やっと荷物を積み込んだ。


「それじゃあ後は俺と麗でやるから二人はバスに乗り込んでて大丈夫だよ」

『ありがとね、真田君と撫子さん』


その言葉に真田君は頷き、撫子さんは少し躊躇った後バスに乗り込んだ。

すこし撫子さんの様子がおかしかったけど…気のせいだよね。


『あと来てないのは?』

「仁王のクラスだね」

『わぁ。私達より遅いって、相当だよね』

「何でこんなに遅いんだろう」

『分かんないね。氷皇も来てないみたいだし』


バスを見上げると、一年とレギュラー以外は寝る体勢を取っていた。
そうだよね、それが正解だよね。だって合宿キツイみたいだもん。

過去の記録を読み返してみたけど、あれは……うん。
しかも今回は精市君と柳君と真田君…つまり三強がメニューを作ったから余計にキツイと思う。
三人とも良い笑顔でメニューを考えていらっしゃいました。

そんな事を考えながら校門を見る。


「麗ー!」

『あ、氷皇!!』

「なんか久しぶり?」

『へへ。そうだね』


するとやけに綺麗な、見慣れた姿が駆け寄って来た。
彼はそのまま近付いて私の頭を少し乱暴に撫でる。

それも久しぶりで嬉しくて。
これからの合宿がとても楽しみになった。

だって氷皇と一緒に居られるんだから。
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