親友は異世界人! | ナノ
ミーティング



そのあと、氷皇は何事も無かったように帰って行った
残されたのは、「美波から目を離すな」という忠告と解決方法を教えられた私だけ

おかしい
いつもなら一緒に帰るのに…


『……はぁー』

「どうしたの?麗」

『うっわ!?』


とぼとぼ歩いていると、後ろから私の肩に顎を乗せた精市君
めっちゃビックリした


「聞いてきたの?」

『うん』

「じゃ、ミーティングしよっか!」


まるで鼻歌が聞こえそうな程ご機嫌な精市君
汗は全くかいていなかった

コートを見れば、三強以外
ま、私に敵意を向けていた人達がグッタリと倒れていた
その側には二人のマネージャー

それを見て、何があったのかを理解した
だってこの光景は初めてじゃない
たぶん私が居ないから「あいつサボりやがったー」とか騒いで精市君にボッコボコにされたに違いない

うーん……私、愛されてるなぁ

ご機嫌な精市君の後ろ姿が頼もしい
へらっと頬を緩め、精市君の隣まで駆けていった



*** ***



「それじゃ、ミーティングを始めるね」


パンパンッと精市君が手を叩けば、全員の視線が精市君に集まる
流石王者の頂点に立つ男

タオルを精市君の隣で畳みながら、そう思った


「今日のミーティング内容は、合宿と一つの問題についてだよ」


合宿という言葉に過剰反応した美波さん
目は心なしかキラキラ輝いている

…ミーハー、だなぁ

他校と合宿するとでも思ってるのだろうか


「合宿は今度の三連休を利用して行われる。先に言っておくけど、金曜の授業終了後に集合、バスに乗って移動だから」

「マジかよぃ!!」

「金曜からっスか!?」

「そう。場所は…去年と同じだと思うから。分かったね?」

「「イエッサー!!!!」」


結論を言えば、精市君は最強である
文句を言っていた二人は精市君の笑顔によって制圧された

ぶっちゃけたら合宿の話なんてどうでもいい
だって毎年の恒例行事じゃないか(過去の活動記録より)
今回違うのは、金曜から始めちゃうことだけ

問題はこの後
例のストーカー少女の話
氷皇に言われた通り、美波さんから目を離さず観察しているけど…変わったとこなんて合宿に過剰な反応を示したくらい
なら、この後の話に何かアクションを起こす?


「ここからが重要なんだけど…」


精市君が口を開いた
精市君のただならぬ雰囲気に皆は押し黙る

切原や丸井も、珍しく真剣な表情だった


「俺達は…ストーカー被害に遭っている」


その一言に、空気は凍った
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