親友は異世界人! | ナノ
初対面



「ふぅーん。ストーカーねぇ」

『うん』


授業が終わって、放課後
精市君も他の人も部活へ行った

私は精市君に遅れると一言断りを入れて氷皇に会いに来たわけ

氷皇に今日あったことを話すと、少し考え込んだ
足を組んで顎に手をあてる。まったく、美形は何やっても似合うんだね


教室の窓から外を見れば運動部が見える
テニスのインパクト音も聞こえた

部活は私が行くまでレギュラーだけが練習するらしい
今日はオフだったから精市君と真田君、柳君には悪いと思うが他の奴らは私が行っても練習してれば良いと思う
いつもの練習は私にボールをぶつけようとするんだもん
扱かれれば良いんだ


「分かった、教える。名前は山田早苗。美波アイルが来たときに一緒に転入してきた、もう一人の転入生。女子に無駄に人気があるんだ。あの外見で。信じられねぇ」


少し経って、氷皇が伏せていた顔を上げて言った
その言葉に思い出したのは氷皇と名前で呼び合うことになった日のこと

最近、いろんなことが起きたんだよなー
これも転入生のせいだ
疲れる


『あ!あの時の女の子ばっかの人間団子』

「人間団子…ブハッ」

『ちょ、ほらほら他の情報は?』


笑い出した氷皇をペシペシ叩いて催促する
氷皇は笑い出すと止まらないから、早く笑うのを止めないと


「アハハハッ、ヒーッ ウケる!!…アハッ、アハハハハッ……ふぅー…えーっと、何だっけ?…あ、山田か。山田は今時居ないような濡れたような黒髪に、分厚い瓶底眼鏡。ちなみに眼鏡を外したら美少女って設定で、傍観者希望、ヒロインになりたい普通の女の子……だよ?」

『え……設定?傍観者? ヒロ、イ…ン?』


訝しげに言うと、氷皇は意味深に笑った
何だろ、何かがおかしい
それに氷皇は「だよ」なんて、言わないはず……

氷皇の後ろから夕陽が差す
まるでこの世のモノでは無いような、不思議な雰囲気を氷皇は纏っていた


『氷、皇……?』

「君はまだ知らなくても良いよ。大丈夫、君は護るから」


声が頭に響く

彼は本当に氷皇?

彼は…

   ―――――――――だぁれ?



リンゴーン、リンゴーン
どこかで鐘が鳴った
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -