親友は異世界人! | ナノ
接触



「麗ー。弁当回収しに来たぞー」

『はーい』


5時限終了後
私の彼氏と噂されている氷皇がやってきた
これって噂を煽ってるよね
まさかの愛妻弁当…って、妻じゃないから違うか

空になったお弁当と、今朝食べられなかったお菓子を持って氷皇の所へ駆けていく
ちなみにお菓子は半分だよ
残りの半分は既に私と精市君のお腹の中です

すぐ傍まで行ったら、丸めたノートでポカリと叩かれた


『痛い』

「なんで昼休みいなかったんだよ。無駄足だったじゃねぇか」

『えっと…理科の居残りと、少し問題が発生したからです』

「問題?」

『うん。少し、ね』


精市君をチラッと見る
氷皇はそれだけで理解したのか、私の頭を撫でて「帰りに教えろよ」って言った

当然、私が答えるのはYes
親友の氷皇に秘密は無いのさ!
言ってないことはあるけど、それは秘密って程じゃないし
聞かれれば教えるもん


「じゃあ弁当箱も回収したし、戻るな。また放課後に」

『うん。ばいばーい』


帰っていく氷皇を見送る

その時、見覚えのある人を見つけた
その人はノートを持っている

ビンゴ!!
ストーカーさんだ

氷皇もその人に見覚えがあるのか、すれ違った後に振り返っていた
しかも二度見
そこから考えると……あんまり教室の外に出ないのかな?
ん?でも、考えたらあの人のこと結構見るし……
うーん…?ま、いっか

あの人が呼びに来るまで教室で待ってよー


『精市君』

「どうしたの?」

『そろそろ来るよ。さっき廊下にいたから』

「!!分かった」


精市君はドアの近くの男の子達の所へ歩いて行った
彼らは今回の作戦の協力者
精市君も、もしもの為に話を聞くことになったのだが、その時に近くにいた彼らが名乗り出てくれたんだ
「俺達ドアと席近いから協力するよ」って

作戦って言っても、精市君が彼らの所で話してる振りをしつつ、聞き耳をたてるっていう簡単な作戦なんだけどね


「ねぇ、佐久間麗って子、いるかしら?」


来ました!ストーカー少女!!

彼女は精市君に声を掛けた
精市君は彼女から遠くに居たのに
精市君より近くに人が居たのに

精市君はにこやかに笑いながら私を呼んだ
流石精市君!!


「麗!お客さんだよ」

『はーい』


あえてノートは持って行かない
だって持って行ったら予想してたことがバレてしまう

まぁ、これは精市君に言われたんだけどね


『えっと……どなた?』


名前を聞くこと
これもミッション
聞けなくても氷皇に聞けば良いんだけどね


「これ、あなたのよね?あなた間違えて私のノート持って行っちゃったみたいなのよ」


アハー
無視されちった

しかも罪なすり付けられたし


『ご、ごめんね。気づかなかったよ』

「良いわ。これから気をつけてちょうだいね」


いや、私悪くないし

精市君を見たら精市君は小さく頷いた
了解、ノート渡します

ノートを受け取り、私はノートを探す振り
その間に精市君はストーカーさんを観察する
王者の部長の観察眼は凄いんだよ

精市君が談笑しだしたのを確認し、私はノートを持ってストーカーさんの所へ向かった
ストーカーさんは精市君をガン見していた


『お待たせ。これだよね?』

「えぇそうよ」

『届けに来てくれてありがとう。バイバイ』


ハッキリとした意思表示
つまり、 帰れ

これが通じたのか通じてないのかよく分かんないけど、ストーカーさんはまたもや精市君をチラチラ見ながら去っていった


『……はぁーー』

「お疲れ様麗」

『あの人と話すの疲れる』


美波さんより疲れる
これって相当。かなりヒドイって


「名前分かんなかったね」

『部活前にでも氷皇に聞いておくよ』

「うん、よろしくね」


その時に今回のことも説明しとこ
多分…協力してくれるから

氷皇ほど頼れる人なんて滅多に居ないもん
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