排草香





雨に濡れて乾ひた唇が貴方のにおひを捕らゑる時

清涼感の感慨に気を紛らはすことも 又 悪くはなゐでせう。


何故なら私は香りに縛られてしまつたから


髪に手に指先に残骸のやうに染まつた 其の「色」


窮めて「クールに違ゐがなゐね」
あんたはそう仰った




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「見えない臓器の名前は」
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