今朝は部活の入部テストということで、目がいつもより早く覚める

まあ、こんな時間から起きていて何が変わるわけでもないからまた寝ようとした




が、寝れない。

どこかでテストを楽しみにしてる自分がいるんだろう、今まではデブとムサシだけだったしな



そう思いながら天井を見上げる


まだ朝早いからなのか、聞こえるのは小鳥の鳴く声に時折に通っていく車の音

中学や去年までのことを考えてると、どうしてか名前のことが頭に浮かぶ



突然転校してきて、俺の部活の勧誘を断って、なのにこうして毎回部活動についてきてる

よく考えるとまだこいつと2ヶ月しか過ごしてないことに気づく

大体なんで家に上がらせてんだっけ…糞ドレッドが目ぇ付けてるからだった


こいつなんて庇う価値があるのか、とふと思う

役に立たない名ばかりの秘書、アメフトのルールすら知らないしアメフトって単語さえ覚えきれない、妙に馴れ馴れしくて俺をナメてるただの馬鹿だ

でも、あいつがあの糞ドレッドにボコされて1週間も来なかった時、急に学校サボって24時間以上も帰ってこなかったとき、戻ってきたあいつの顔を見るとまるで魚の骨がのどに詰まったかのような顔をしてて気になってた

まさか同情したわけじゃないだろうなと自問


さらに考えてみると、あいつは入部しないとか言ってる割にはちゃんと試合見に来てビデオ撮ったりできる限りメモも取ってる


自分に投げ出した問いに答えるより先に笑いがこみ上げて、ベッドから起き上がって部屋を出てどっかの誰かさんをいじることにした




***



ふざけてるうちに時間は過ぎ、テストの現場へ行くため電車に乗って今に至る


糞ノロマは相変わらず隣でだらしなく涎たらして寝てる

そういう呆けてる顔見てると蹴り落としたくなるがやめておく



「ねぇねぇ蛭魔君」


後ろからチビ共を構ってやってたかと思ってた糞マネが俺の肩を突く

返事はしないが聞いてると視線だけ送る



「今日改めて思ったけど名前君と蛭魔君、仲が良いよね」


「何が。強いて言えば主人と奴隷ってとこだ」


そうには見えないけどなぁ、と呟くが完全に無視



「他の人は知ってそうにないから…聞くけど、名前君の、さ…好きなものとか知ってる?」



何そわそわしてんだこいつ、と口の中のガムを噛むのをやめる

そういやこいつよくカレー作ってるとか、サイクリングは割りと好いてるらしいと幾つか浮かぶけど



「………知るか」



なんの意地かはわからないが、その一言で会話が終わった




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