「起きろ名前!!起きねぇと頭ぶっ飛ばす!!」



耳が劈かれるような声で嫌でも目が開く

いつものことなんだが、なぜか今日はやけに眠い

意味のない唸り声をあげて目覚ましに目をやる


『まだ5時だよ…』


いつもは7時半とかに起こすのに、とシーツの中に潜る



「二度寝すんじゃねぇ!」



こっちの気持ちもお構いなしにシーツを引っぺがす



『やけにテンション高いね…今日なんかあったっけ…』



目を擦りながら起き上がる



「もう忘れたってのか! 役に立たねぇ秘書ったらありゃしねぇ…

  入部テストだ!!」



他人から見ればいつもの妖一に変わりはなさそうだけど、
俺の眼から見る彼はまるで新しいおもちゃをお父さんに買ってもらうような5歳児のように笑ってた



『確かそんなのあったなー』



欠伸をすると彼のテンションが冷め、またいつもの彼に戻り「早く支度をしろ」とソファから蹴り落とされた



***



いつもどおり、俺と妖一は遅刻気味で学校につく(あんなに早く起きたのになんでだろう)


「あーっ、もう名前君も蛭魔君もおっそぉーい!」


『妖ちゃんが支度の邪魔してすごく時間かかって…』


繭を八の字にしてこっちへ駆けつけるまもりちゃんに謝りつつ溜め息を吐く


「テメーがトロいからだろ」


『多分妖ちゃんが俺の服隠さなかったらもっと早かったかもね』


「どこに隠したかよく考えねぇのが悪い」


『へーりーくーつー』


甲高い笑い声を上げる妖一にぶーぶー言ってる俺。

そんな俺達をまもりちゃんは不思議そうに見るだけ




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