「で、どうする」




『俺がわかるわけないでしょ』



家に帰ってメモ帳もペンも用意し、二人してソファに座ったものの何もアイデアが浮かばない



『階段昇り?』


「体力系か」


『根性試し?』


「最後まで残らねぇ奴はいらねぇからな」


『障害物もいれたらいいかもね』


「本場はそう簡単にいかねぇからな」


『そっちもなんか考えてよ…俺ただの秘書なんだし』


「ケッ、めんどくせぇ」


改めて自分一人しか考えてないことに気づき、暇そうにペンをかじってる目の前の彼に少しムスッとする


***


結局のところ、入部志望の仔が結構いるからといい、大きいスペースがいる。

運動場だけで大丈夫かな、と俺が悩んでると急に「じゃあ東京タワーでも借りるか」とか言い出した


『ちょっとそれ大胆すぎるんじゃないの?』


「その大胆さについていけねぇ奴もいらねぇよ。クリスマスボウルに比べりゃ東京タワーなんて鳥のクソみてぇなもんだ」


例えがすごく微妙なことはあえて言わない。なんか東京タワーのアイデアがすごく気に入ってるみたいだし…


『でもタワーを貸切になんかできんの?』


いろいろだめなんじゃないの?ときいてみるとペンを額に投げつけられた


「テメーまだ俺のことナメてやがるな」


『なめるもなにもタワーを貸切とか…ねぇ』


「じゃあ賭けるか?」


自信満々の笑みでこれ以上の異論は聞かないと言うようにノートを閉じてそこらへんに投げ捨てた


『俺お金ないよ。妖ちゃんにちゃんと金もらってないからね』


「食費、水道代、電気代、その他もろもろ全部ひっくるめてテメーの給料だ」


『えー!聞いてないよ!』


「テメーも聞きに来なかったがな」


『聞かなくてもフツーはキャッシュでしょー…』


まじかよー、とテーブルに額をぶつける


『とりあえず内容だけ聞いておく…』





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