『?ん?』





まだ意識がはっきりしないなか、コンクリが遠ざかって視界いっぱいに空

意識も曖昧で浮遊感が気持ち悪い、まさか死んだとか。





「大丈夫!?ケガない!?」







手を頭にやり、いつ立ったのか知らないが次は立ち眩みで視界が暗くなる

暗中模索で手当たり次第に何かに掴まった






数秒後にスゥー、と視界も再度元通りになり、意識も戻った





目の前にいるのは自分より大きい男






『あ?あー、いいよ。 生きてるから結果オーライじゃないの』





そう言って地面に衝突して、百個の傷が百十何個へと増えた水稲を拾う。

すると水稲の横に見慣れない楕円形のボール(?)が落ちていた。







『これ、お前の?』







「あ、ああ!うん!ごめんね!」







眩しい程の笑顔でそのボールのようなものを受け取る彼

それに続いて耳の鼓膜をつんざくような銃声







「この糞野郎…!どこ投げてやがんだ!!」






後ろから聞こえる。グラウンドみたいだ…ここは学校か何かか?




ユニフォームを着てる人が数人。なんかのスポーツなのか…変だな、こんなスポーツ見たことない

銃声は止み、だれかこっちに来る





「ケッ、おら行くぞ。んの糞デブ」





「あ、ああうん!」






相手に失礼じゃないか、と思うが相手も慣れてるいたいだ。

失礼極まりないもう一人を見ると、明らかに危なそうな外見ですこと



金髪にピアス、おまけにマシンガンなど…東京はこんなもんを学生に売っているのか?






練習に戻る前に、ちょっと呼び止める






『これってスポーツ?』






「?うん。アメフト」





大きい方が知らない?と聞いて来れば知らない、と首を振る







「ケッ、来年はクリスマスボウルで優勝するからよ…テメー、泥門デビルバッツを支援しろ」






それだけ言い残して大きい方を引きずってグラウンドに戻った。








そのころにはもちろん、何を支援すればいいか言われていなかったかのように忘れた。










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