「大事にされてんなぁ?変態のくせに」


妖一は自分が最後の一言を言っていないと気が済まないようで、再び喧嘩を売る



「名前は友達だからな」


「テメェのダチは俺のモノだ」


「人はモノではないがな」


「こいつは対象外だ」


本当に突っ込みどころがありすぎる会話に俺は驚く

二人とも性格全く違うのに馬鹿なのは変わりがないということか



『あーもう俺知らない!』


そっぽ向いて相手チームに目をやる


「………」


「ケケケ、自慢の友達にも嫌われたな」


「誰のせいだ」


俺は別に嫌ってないよ!と言いたいところだがこのまま置いていたら今後どうなるだろうかと興味を持ち、あえて何も言わず



『ほら後半始まるよ』


「っかってるっつの」



後半始まると同時に、イマイチやる気のなさそうな不良3人を試合に出した

その3人は喧嘩慣れしてるのか、積極的に暴力的な攻撃を繰り出す賊学の選手に返り討ちをかます

瀬那君も彼なりに頑張っているのか、怖そうなキャプテンに立ち向かうなり追い抜いてる

それからモン太のキャッチや瀬那のランで追い詰め、しまいにはスクリーンパスで瀬那君がタッチダウン

その間に清ちゃんから秘書仕事の手伝いをしてくれて、あれのメモ取ったらや、これがこうだから駄目だとか教えてくれた



『す、すごい…いつもなら1ページすら埋まってないノートが今日2ページも埋まってる…』


「名前もアメフトの初心者だから仕方がない。俺が役に立てるなら全身全霊を込めて手を貸す」


『ノートとか取るだけだからそこまで必死にならなくていーよぉ…』



本当に困った仔だ

だけど彼のそこがいいのだろうか、嫌う気にはならない



46−28で泥門の勝ち。


隣の彼もそろそろ自主練があるからと言い、ベンチから立ち上がる



「もう少しいたいのだが…俺も一刻でも早く強くならないといけない。」


『いやいや、今日はいろいろ手伝ってもらえたし、充分だよ。ありがとね』


「そうか…俺もこれる試合はなるべく来る」


『分かった。俺も王城の試合とかなるべく行くよ』


そうやって門まで送り、彼がこっちへ振り返えると今までずっと無表情だったその顔には小さな笑み



「それならば名前にいいところを見せないとな」


『はは、勝っても負けても俺は清ちゃんを応援するよ』


「ああ、感謝する」





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