久し振りに部室の前まで来た。

痕を他人に見られるのは面倒だと言われ、外で待たされる


しばらくすると、小さなコップと包帯を持ってきた妖一が出てきた



『何それ』


「小麦粉に油だ」


『へぇ…包帯までいるの』


「また変なヘマしたって言えやいいんだよ」


『なんか俺がドジみたいじゃん』


「じゃあ今回のハプはなんだ」


『ドジデゴメンナサイ』



どうもご丁寧に首のところどころに薬かのようそれを塗ってくれる

その上から包帯を巻かれ、小さく「首絞めてやろうか」との独り言も聞こえた

それは勘弁してほしい



「それでいっとき浸けておきゃいい」


『わあ、ありがとう。』


「んな変な痕つけて俺の周りうろついてたら俺がしたみてぇになるだろ」


『なんだ妬いてしまうからとかじゃないんだ』


「なワケあるか」


生返事を返され、俺を置いてグランドへ行こうとする彼に着いていく


グランドに一人、見覚えのない顔



「あっ、名前さん!」


『せn…愛君この前振り』


「愛って…」


『アイシールドって呼びにくいから短くして愛で』


「また怪我したんですか?」


『そうなんだよー…ほんと面倒だよ』


アイシールドの彼と世間話をしていると、なんだか不審な目で俺を見る新人君



「あ、そうだ…新しい部員入ったんですよ!」


『気づいたよ。80番かぁ、かっこいい背番号じゃないの』


「う、うっす!あ、えっと俺、雷門太郎っす」


『名前。よろしくね』


握手を交わすと、苗字を聞かれる

ないと言えば意味がわからないというような眼をした



「で、名前先輩はマネージャーかなんすか?」


『見学者兼、妖一の秘書』


「あの人の秘書って…大変っすね」



ご愁傷様とでも言うように笑う



『それほどでもないよー。まあ、実際試合に出ないからそう思うだけなのかもしれないけどね。案外楽しいもんなんだよね』


「へぇ…ならもう正式な部員じゃないっすかそれ」


『……そう、なっちゃうよねぇ…』



本日何度目か忘れた溜息を吐くと、「俺何かした?」と焦る雷門君

それに対して俺は何でもない、と諦めがちな笑顔を向ける






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