降りても体が軽い 『も、もう一回乗ろうよ』 「あ″ぁ?」 『頼むからさ!ね!』 この通り!と両手を合わせる 「お前まさか…遊園地来たことねぇの?」 『見たことはあるけど実際行ってみたことはないんだよね』 「ったく…やけにはしゃいでると思ったらよ」 改めて周りを見てみる テレビで見るよりも、やっぱり実際自分がいると数倍も楽しいもんだ 阿含を見ると、めんどくさそうに溜息を吐いた 「あ″ー…ったく、ぁんだよ」 嫌そうにしてるのもどうせ策なんだろうと勘づき、どうともないようにただ見つめ、数秒間のにらめっこのあと、相手は参ったとでもいうかのように両手を上げる 「調子にだけは乗んなよ」 『よし』 彼を引っ張りながらもまた列に並ぶ いい年してこんな子供のようにはしゃいでるのもなんだろうな、と思いつつも列に夢中になった *** あれから遊園地中のアトラクションに乗りまくり さすがに疲れてきた頃 「えらく静かになったなぁ?」 『こんなに疲れたの初めて…サイクリングでもここまでは疲れたことない』 どこかと眠たそうに笑いながら呆れるくらい遅いペースで歩く 「…じゃあ最後に観覧車乗って帰るか」 『わあ超怪しい』 「疲れるまで付き合っただろ」 考えるとそうだ、ここにいる間調子に乗って彼を引きずりまわしてたな 謀られたなと頭を抱えつつ仕方なく観覧車の方へ。 策は策でも今日ばかりは世話になったワケで 『あんたも酷い人だなぁ』 「まんまと乗せられたのが悪ぃんだよ」 隠すつもりもないらしい prevnext |