『くあぁ〜っ…んぅー…』


目を開けると外は真っ暗

半開きの眼で視線をテレビのケーブルボックスに移す

どうやら午前3時のようで。

結構寝たな、でもまだ眠い。


二度寝をしようと寝返りを打つと顔に何かふさっとした感覚

なんだろうこれ…

そういえばこんな時間になれば妖一も家に帰ってるハズ…どうだろうか

それより、まだ寝ぼけているっていうのもあるのか、このふさふさしたものに対して少々パニクる

ケルベロスとかだったらどうしよう。何そんなの悪夢の中の悪夢みたい。


とりあえず暗さに目を慣らし、二度瞬きをして目を開ける

月明かりが少ないリビングに鈍く光るのは金色

まさか、と首だけ動かして視界の角度を変えた


なんと予想は的中。

ケルベロスの毛色でもない金はどこかの誰かさんの髪の色であり、本人は息をしているのかわからないくらいの寝息を立てている

床に寝転がり、頭をソファに預けている形

驚いた…ふらっと帰ってきた俺に対してマシンガンで迎え撃つなり、先程連想したようにケルベロスでも呼ぶなりするのかと思ったのに…


なんというか……神妙な心境だ


一体俺は何をどうすればいいんだろう


視線だけでキョロキョロしてると妖一がTシャツで寝てることに気づく

策士の癖にこの有様は一体なんだと言ってやりたいが今は笑うしかできない



一瞬俺のシーツをかけてあげようと思ったが、そんなことしたら俺が寒い。

そうだ、とニタニタしながら彼を起こさないようにソファから降りて隣に居座って…そのまま二人にかかるようにシーツを広げた


面白半分でやってみただけに、明日の反応が楽しみで二度寝を実行した







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