今日は疲れて、妖一の家に着いた時にはもう1時くらいだった

運よく合鍵持ってて、自転車をそこらへんに停めて家に上がり込んだ



一日しか離れてなかったのに、懐かしいと思う匂い


俺の寝床でもあるソファを見つけると、シーツを持って倒れ込み、そのまま意識が遠のく妖艶な数秒を味わいながら寝る


***


家の前に着くと、見慣れたボロ自転車が適当に停められてある

まさか、と苛立ちと期待が足を運ぶ


ドアノブを回すと開いてる

あの糞野郎、鍵かけねぇで何してんだ


そのまま玄関に上がり、乱暴に投げ捨てられた靴を見てあいつだと確信した

言ってやりたい事がたくさんあって足音立ててリビングへと堂々と入る



「テメェ今までどこ行って―」


大声で叫びつつも、ソファにのっそりと横になってる白いものが見え、途中で口を閉じる

早足気味でソファに向かうと白いものがシーツだと気づき、シーツからひょっこり付き出てる寝ぼけた顔したあいつの頭

今にでも説教聞かせてやりたいとこだが、声が出ない

そんな自分に腹が立ち、思い切りソファを蹴った

眼が覚める気配がこれっぽちもなく、逆に寝がえりをうたれる


『…サー……せ、ン…』


普段話してる時には聞けないトロンとした声で寝言をぬかす



「悪ぃと思ってんならもっと謝れ糞ノロマ」



落としたと思われる枕を顔面に投げてみたけど、機嫌が良くなるどころか柔らかい音と寝息しか聞こえず、また腹を立たせる







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