『…怖い…ね』



「なら俺が怖くないようにする」



『はい?』



「調度俺もそれについて悩んでいたんだ。」



何を言い出すのこの仔

っていうか全然悩んでたような顔してなかったし



『…俺も君もわからないとすれば、それが上手くいったときはどうやって解るの?』



「直に解ってくるようなものじゃないのか」



『いや、そんな疑問形でもねぇ…君はそうやって話したこともない俺と友達になっても楽しくないと思うよ?』



「友情は楽ばかりではないと聞いたが」



『そりゃそうだけどさぁ…』



「俺は別に怖くはない」



困った顔を見せても進はこれっぽちも動揺してくれない

どう返せばいいのかわからない

全然寝てないのも一つの原因かもしれないけど



『………遅刻、するんじゃないの』



「お前も対象外ではないと思うがな」



『俺はいいの、勉強ちゃんと解ってるし、損はしないの』



「それが問題だとは思わないな」



『ホラ、早くいかないと先生に怒られるよ』




また自転車をこぎはじめ、ゆっくりこいでる間に彼に言う




「清十郎だ」



それにまた止まる




『進じゃないの?』



「清十郎は下の名前だ。友達は下の名前で呼び合うと聞いた」



本来なら、いつ友達になったんだと言って二度会う前にどこかへ行ってしまうのだが

俺も馬鹿だ





『そう、俺名前』



「またな、名前」



不意に頷いてしまい、前言撤回

俺は大馬鹿だ








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