「んのカス…「阿含!」






どこか息切れたような声が後ろから一人






「探すのが正解だったな…全く、何してるんだお前は」





「チッ。もう帰るわ」





この前のみたく、ゴミを捨てるかのようにコンクリ固まった道路に俺を投げつける

もちろん妖一も阿含を迎えに来た彼も一瞬で俺と地面との衝突を見切ったりできないワケだから見事に打倒

肩を打つだけで済むように倒れようと思ったが俺だって反射神経いいワケじゃない。

鈍い音と耳鳴りが脳を弾き回る




「だ、大丈夫か?」



『うーん…頭切ったかも』



動かない体がパソコンかのように再起動するのを待つ

痛覚も帰ってくる




「すまない…あいつには俺から説教しておく」



『そこまでしなくていいよ、面倒でしょ?あの仔』



「(あの仔!?)あ、ああ…いや、だが俺にできることはそれくらいだしな」




額の傷を片手で押えながら彼の顔を覗く

なんだかすごく見覚えあるような…なんか引っかかる

何だろう



「凡人兄貴のおでましか」




「蛭魔……悪かったな、迷惑かけた」




「あいつが人に迷惑かけんのは日常茶飯だろ」




『兄貴?』




妖一の?じゃないな、こんな兄貴がいるなら妖一はあんなじゃないだろう




「あの糞ドレッドのな」



『あ、そうなの。どおりで顔が誰かに似てるワケだ』



「雲水だ、よろしく」




突然手を差し出されたから思わずこっちも握手しようかと思ったが、額の傷で両手もろとも血だらけ

申し訳ない




『………』




「あ、すまん!世間話は次の機会だな、今は家に帰って安静にした方がいいな」




『ごめんね。今度あった時ゆっくり話そ』



笑ってみるが、血まみれの顔だと怖いだろうな

雲水君も目を見開いてるや




「あ、ああ!そうだな…今度はこんなことがないようにする」




『ありがとう、助かるよ』



礼を言うと大量出血で死ぬと妖一に脅されて仕方なくついていく

いつもなら冗談で流しているが実際出血が止まらないから笑えない


早く止まらないと殺人未遂にあった被害者のように見えてしまう







prevnext






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -