68対12で王城の勝ち 前半だけでも35点リードだったんだから別に驚きはしない むしろ12点も入れることができたこっちがすごいと思う 『ざーんねんだったね!』 「自分のチームが負けたってーのにヘラヘラ笑いやがってよ」 『そういう妖ちゃんも満更じゃないなぁ』 これでやっと大会に助っ人出なくていい、とブツブツ帰っていく男子が聞こえる まぁまぁお疲れさまとでも言ってやりたい 「名前さんもう帰るんですか?」 いつの間にか瀬那君は防具を外し、元の服に着替えてた 『うーん。頑張ったね、すごい活躍だったよ』 「そ、そうですか?」 嬉しそうに俯いて頬を掻く もっと自信持ってもいいのに *** 『もう大会終わっちゃったなんてねぇ…参加してた実感がないんじゃない?』 俺は別に部員じゃないから、部員視点から見てるだけと付け足す 「秋にまた大会があんだよ、それで優勝すりゃいい。 そんときゃテメーもちゃんと入部してんだよ」 『また出た決定事項』 「今だって入部届け出してないだけで、傍から見りゃ正式な部員だけどなぁ?」 『……そうだよねぇ』 めんどくさそうに晴れてる青を見上げた どうせなら雨を降らせてほしい あーあと溜め息混じりの欠伸で大きく腕を伸ばすと、急に後ろから蹴られ見事に前転 『痛いことするなぁ…』 「気持ち悪ぃ顔すっからだこの糞ノロマ」 立ちあがるのに助けもせずそのまま歩きだした 自分も立ちあがった時、後ろにいないはずの誰かに肩を掴まれる 「で、今からなら暇なのか?」 あーめんどいのが来た prevnext |