見てると、王城って言われた通り結構強いみたいだ

まぁ、この前の恋ヶ浜戦とは違って、明らかに手こずっているから俺にでもわかる

見た目だけじゃないんだねぇ




「名前君は運動部とかには入らないの?」



ビデオを取るのに夢中かつ上の空な俺を現実に引き戻したのはまもりちゃん



『うーん。俺あんまり人間関係に強くなくてね…妖ちゃんが無理矢理連れてこなかったら今頃……』




今頃、もう移動してるんじゃないのか?

こんな娯楽を楽しんでていいんだろうか……今頃、群馬辺りにいたかもしれない

それなのに俺は学校なんかに…





「名前君?」





『………いなかったかもしれないね』





画面から視線を映さず、表情も変えず、事実を述べる

嘘ついてもメリットないし





「……そ、そう…なの。 じゃあ、私達も、苦手?」





『…………』




このままだと、俺の荷物になるかも、と言おうとするが口を閉じる

これは多分言っちゃいけない



いや、確実に俺の荷物だ




『…まだ、"友達"っていうのが初めてだから。わかんない』





「そ、そう…」




なんだか気不味そうに下を向いて視線を泳がせるのを感じる

勝手に友達呼ばわりしたのが駄目だったかな





「でも、名前君はいい人だし… できれば…離れるまで、友達だといい、な」



ゆっくりと画面から彼女の顔へと視線を映す

すごく恥ずかしそうで、希望で満ち溢れたような笑顔



俺と離れるまで友達…






それが、一番駄目だっていうのを解ってくれないのが悲しい









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