「阿含…奴をどう思う?」





「デビルバッツなんて無名チームにも意外な掘り出し物がいるもんだな〜」




双眼鏡を通して生返事に似た返事を返す




「いい脚してるよな」



「あ〜、いい足だね…欲しくなる。 服の上からでも解る、腰がイイ」



「なんの話をしてるんだッ!!」




双眼鏡を奪い取った兄からまたそれを奪い返そうと上へ手を伸ばす阿含




「あーはいはいアイシールドのことだろ。 いいからソーガンキョー返せ、知り合いがいたかも」




「全く…そんな他人事みたいに……それよりお前、泥門に知り合いなんていたか?」




「俺も泥門だって今まで知らなかったんだよ。あーあ。部活ってこのコトかよ…めんどくせぇなぁ」




双眼鏡を覗きながらブツブツ呟く弟を呆れた眼で見るしかない






「はぁ…お前のその女癖どうにかならないのか?」





「名前は女じゃねーよ」





「名前ってお前…男にまで手を出すようになったのか!?」




青ざめてるのか赤くなってるのかよくわからない中途半端な心境を顔に表す

そりゃあいくら自分の弟が女と遊んでばっかだとしても、男にまで興味持ってしまっただなんて驚き




「まぁまだボコしただけだけどよー、ボロボロのままやんの気が引けてさ。怪我治った頃だから連れて帰ろうと思ってたワケ」




「お前な…!!相手の気持ちも考えたらどうだ!!」




どう対応すればいいのか考えながら隣で頭を抱える兄

あーやらうーやら困惑した声が聞こえる





「雲子ちゃんも会えば解ると思うからよ。あ、でも俺が会わせたくねぇかも」




「冗談も程々にした方がいいぞお前…」




「ほらあいつ、首あたりとかイイと思わねぇ?」




双眼鏡を彼の眼に押し付け、まもりの隣で暇そうにビデオを取ってる名前を映す





「お、俺がわかるわけないだろ…」




「面白いぜあいつ。平和主義ってのかあれ?それともただのめんどくさがりか?わかんねーけどイイ」




「勝手に話し続けてろ…俺は試合を見るぞ」





「そう言いながら名前見てんじゃねーの?」





双眼鏡をさほど動かしていないのに気づき、ちょっとイラついて肘鉄を喰らわせる






「な、なワケないだろ…なんだ急に」




「なんかイラついた」




























『へっくちっ』





「大丈夫?」




『うん。塵でも吸い込んだかな』




「(くしゃみ可愛いかも…)」











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