「ケッ、来やがったな」




『んー』



欠伸をして何も起こらないグラウンドをみつめる




「神龍寺だ」



『ふーん。知らない』



「あの糞ドレッドだって言いやわかるか糞ノロマ」



『えぇっ、なんで来んの』



「昨日神龍寺の偵察ビデオ見せたじゃねぇか!秘書の仕事できてねぇじゃねぇか!!」



『でも面倒だなぁ…これじゃベンチから離れられない』




めんどくさいような素振りをしてシャーペンをカチカチといじくった

離れるなと同じことを何回も言われ、マシンガンまで乱発したあとにやっと作戦会議を始めた


なんだか瀬那君に責任を押し付けるだけ押し付けていると、隣で噂の張本人が青ざめた顔でこっそり荷物を持ってどこか逃げて行った

もうちょっと優しくできないのかなぁこの人は



「おいあの糞チビどこ行きやがった!!」




「ファ…チビって何よ!!セナならビデオテープを買いに行きました!さぼってるみたいに言わないで!!」




妖一の顔にねじ込む勢いで瀬那君が送ったメールを彼に見せる

眉間のシワがこれでもかというくらいに増え、ケルベロスというこの前のものすごく怖い犬を呼んで探して来いと

解るケルベロスがすごいと思う

数秒後にケルベロスが引きずって来たのはユニフォームに着替え、ちゃんとアイシールドをつけた瀬那君



妖一は口をあけたまま驚いた様子


照れ隠しなのか、瀬那君の背中を思い切り蹴って集合の合図を出す



またいつもの脅しの掛け声を叫べばグラウンドへと散らばった







『はー…秘書ってもねぇ…何のことにメモ取ればいいの?』





「そ、そりゃあ…もし相手がこっちの選手を倒した時とか、なんで倒されたとかよく見たり?」




ベンチ仲間のまもりちゃんと続かない会話をする





『じゃあやっぱビデオ取った方がいいのかな』





「でもビデオテープがないの…」




『じゃあ携帯のビデオ使うよ』




興味なさそうに頬杖をつきながら携帯の小さな画面に集中する


ビデオ録画3分入って早々、我らの1番さんが倒されました








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