『へぇ〜、帰る方向も一緒なのかぁ…ほんと姉弟みたい』






「と、途中までよ…」





『そういってたまに泊まらせたりしてなーい?』






「し、してないよ!」






解散すると皆で同じ門を通って学校を離れ、俺は瀬那君とまもりちゃんをからかいながら歩く

相手も面白い反応するからついついもっと言ってしまう




角を曲がろうとすると急に後ろに引かれ危うく尻もちをつきそうになる





「ケッ、テメーはこっちだろ」





『あ、あーほんとだ。』





よくみるといつもなら右を通るところを瀬那君達と左に行ってしまった


俺こっちだから、と別れを告げるとまた明日会おうとの返事が返ってくる







「テメー俺が止めてなかったらあいつらの家までついていくところだっただろ」




『ごめんって。いつもなら帰る時間とか関係ないからさぁ』



「やっぱりテメー危ねぇな」




4人の時は面白くなさそうに後ろを歩いていた彼が2人になると心なしか機嫌が戻ったようだ

ほんとに可愛いね、と口にせずにそのまま歩くと妖一が足を止める






『どしたの?』





「ケッ、テメー忘れてねーだろうな」




最初は何だろうと思ったが、俺の顔をまじまじと見るもんだから、あーアレかーと思いだす




『やっぱ言わないとダメ?面倒なんだけど…』





俺の秘書を勝手にボコそうなんて奴が誰なのかは知っておきてーもんだ」





『あれ?俺秘書になるって言ったっけ…』





まぁこの前その遊びに付き合おうとは思っていたが、彼の前では言った覚えがない






「誰が返事を聞くっつった」





『あー…決定事項ってやつ?』





「物分かりがいいな、んの糞ノロマ」





『言ってることが矛盾してるよー』





そう笑うと軽く頭を叩かれる

ぱっと見、ドラマの告白シーンかのようにお互い向かい合い、お互いから視線を離さない

内容はそれほどでもないけど




「で、誰だ」




『うーん、えーっとね…誰だっけ…』






頭をめんどくさそうにポリポリ掻くと腕の痣が疼き、それまた面倒な三文字が脳に浮かび出る










『えぇっと……あ、ごん?って人』








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