放課後は初めて部活の練習を見学することにした


やっぱりこの前の試合は助っ人ばっかだったのか、練習には妖一、栗田と瀬那君しかいない





「あ、名前さん珍しいですね放課後見学……ってど、どうしたんですか!?」





『ちーとしこたま打ってねー。大丈夫』





「も、もしかして最近全然見かけなかったのって…」




『安静にしてただけよー。ボコボコの顔じゃ外出れないよ』






ベンチに座ると手帳とシャーペンを持った瀬那君が俺の顔を改めて覗いて驚く

心配しなくていいいと頭を撫でると少し安心してくれた。子犬みたい。






『で、瀬那君はどうよ。あめうり部。』






「アメフト部ですってば。 …今週末の王城との試合が、少し怖い、ですね」







『楽しみ?』






「ぼ、僕はまだよくわかんないです…大会、出れたらすごくいいことなんでしょうけど」






『そっかぁ。じゃあ、もうちょっと見学期間延ばさないとなぁ』





ははは、そうですか、と彼独特の柔らかい笑い方を見せる





「王城戦は来るんですか?」




『うーん、行くよ。試合見るの、意外と楽しいし』





どうせ俺一人でもすごく暇するし、その時間を潰すなら、と言うとまた笑われる

弟がいれば、こんな感じなんだろうな






「あ、名前君」





後ろの部室から来たのか、ドリンクを持っているまもりちゃん






『あ、まもちゃんじゃないの』





「ま、まもちゃ……」




恥ずかしいのかボトルを落としそうになり、顔を赤くする





『マネージャー生活どう?』





「もう大変……でも瀬那を見張ってないといついじめられるかわからないし」




『はは、弟想いだね。二人とも可愛い』





声をあげて否定されるが、この二人だと余計可愛く見える

更に笑いが込み上がり、いつものように喉を鳴らして笑う





「もうっ、名前君ったら…」




何か言いたげだったけど諦めて肩を落とすのに対し、俺は笑ったまま









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