「欠伸する余裕があんのか?」






『そうでもないけどねー。充分痛いよ』






「あーイラつく。叫べよ。喘ぎでもいいから」





『殴られて喘ぐほど痛覚狂ってはないのよ、ごめんね』





鼻辺りに何かドロドロしたものを感じ、

それが口に流れ込み、鉄の味がじわりと咥内に広まる






「お前イラつくな。」






また一発






『よく、言われるんだ』






一発







「ふーん。じゃあ痛くない方だったら声出すのか?」







『強姦はされたことないからわかんないなぁ』






左目が潰れ、右目で楽しそうな彼を見る

こういうのを本来、変態っていうんだよ、と妖一に言う様に心の中で呟く







「でも今はヤる以前にさっきあのカスを潰せなかったストレスが残ってんだよ」







次は胃袋辺りに一発

あーなんか吐きそう









「こんなんされてて無表情な奴っていねーよな。お前どうなってんの」







『自分でもわかんない。慣れ?諦め?諦め慣れ?』






喋る度に切れた口がチクリチクリと痛覚に刺激を与える





「じゃあヤっても無表情んじゃね?何それ笑える」





『だーかーら、そんなことしたことないからわからないの』





困った風に眉を八の字にすると腫れた頬を思い切り素っ叩かれる

耳鳴りが半端ない






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