そして運悪く次の試合その王城ってところらしい。



帰りの電車は空いてるものの貸切ではなかった…

そこまで礼義がなってないわけじゃないから貸し切りでなければわざわざ寝転がったりしない

そのため大人しく席に座ると、偶然にもさっきの仔が俺の隣に座る





リベンジやらアイシールドの正体の話をしてると、完全に興味をなくし、船を漕ぎ始める

首がブランブランと揺れるから結構痛い

あー寝れない。最低。首を上に向けるが、それもすごく寝にくい体制




「大丈夫?」




『じぇんじぇん……大丈夫…じゃ…らい……』





誰から声かけられたのかもわからず、寝ぼけたまま応える

小さく欠伸すると目尻に生理的に溜まった涙が生温くて気持ち悪い




「膝貸すよ?」





『ぁりぁろー』




ありがとうのつもりがでろんでろんとした返事になり、声が自分の左から聞こえたのでのろのろと横に倒れて席より柔らかかった膝枕のおかげですぐに寝れた

お礼に何をしようかな、デートとか?まぁ俺と行きたくないだろうけどね。

昼ご飯奢るとかそんなことくらい…あーバイト始めないと






***








「…ん……くん」






『んー。なーに』





頭上から聞こえた声に薄く反応すると揺さぶられているのに気付く

ゆっくり目を開けると瀬那君のお姉さんの顔が視界に入る。

膝枕してくれたのこの子だったんだ、位置的にそうなるだろうけど眠たくて気にもかからなかった





「降りるよ?」






『あー。うん。ありがとう、すっごく気持ちよかったよ』





でもそんなこと軽々しちゃいけないよと注意する

別に名前君は変なことするような人じゃないとは思う、ですって

彼女は姉崎まもりっていうらしい。瀬那君のお姉さんではなかったらしいけど、それっぽい人みたい。


俺も一応男だけど、と思うが確かに変なとこ触って殴られたり怒られたり面倒な事は嫌な俺だと、多分しないかな〜、と自分でも納得する





「ケッ、テメーは女にホイホイついていきそうだな」




解散するとなぜか帰り道が同じの妖ちゃん

変なところに停めていた自転車を回収し、押しながら一緒に歩く




『ホイホイとはついて行かないヨー。俺にもその子にも何のメリットもないし面倒なことはしなーい』





「口はいくらでも言えるからなぁ?変態」





『ふーん……妬いちゃってカーワーイーイー』





「誰が妬くか。テメーに似た変態がいるから大抵わかんだよ」





『もうなんなの変態変態って。何かしてほしいの?』





呆れた風に溜め息を吐くと「はぁ!?」と叫ばれる。

あ、図星かな。

何これ楽しい、と喉を鳴らすように笑う





『ふーん、なーんだ、素直じゃないなー。世間ではそれをツンデレって言うんだよ。 妖ちゃんにメリットあるならやっても「誰に口聞いてんだてめぇ……」



ぶちぶちと血管が切れる音がする

でもその割には顔赤いと思う。







『なんなら今ちゅーでもしてやってもいいよー』





ほらほらーと口を尖らせて自転車押しながら彼に近付く

予想通り、マシンガンを取り出し「近づくなこの糞変態!」と発砲する




思ってたより自分は調子に乗りやすいみたい









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