俺が起きると金髪さんの顔が目の前にあった

さっきまで気配感じなかったから起こしに来たんだろう、その割には何もしてこなかったけど

ふーん、綺麗な顔だなーと思い、ここ天界グランドでしょ?と確認し、早く降りることを命令される

ぷいっと少し慌てたような身振りをして背を向けられた



何?照れてんの?可愛いことしてくれるなぁ、と顔が緩む。相手はなんでもないと言うがそんなこと誰もが言うことだ


寝起きにいいもの見れた、と笑いながら部員と一緒にグランドへ向かう。




そういえば、金髪さんの名前聞いてなかったなぁ…相手が言うまで待とう、自分から聞くのは嫌というか、皆さんご存じの通り面倒なだけで





***






目的の学校に着くと、他のチームも試合してるみたいだ





「わあ…」




「もう前の試合も終わる頃だな」





『へぇー』





なんだ、結構有名なスポーツなのかな…

早速泥門の選手もユニフォームに着替え始める



そして瀬那君がスパイクが入った箱を持ってきた





「あれ?名前さんは出ないんですか?」





『ん?あー、うん。部員じゃないんだ。見学見学』





「そうなんですか…!なんだかこのアメフト部、人気ないと思ってたんですけどね…」





『ないっぽいねー』





なんだやっぱり、と小さく笑う瀬那君。笑い方が可愛くてつられて俺も笑う





「あ、むこうも来てるや」




栗田がグランドの向こう側を指さすと、選手と…その彼女達がいた

1カップルならまだ和むものの、こんなにいたらちょっと気持ち悪い……




うちの部員が嫉妬に燃えあがっていると後ろからちょんちょんと突かれた






『うーん?』






「あ、あの…!」





振り返ってみれば可愛い女子が2、3人

何か言いたげにもじもじしてるのは女性独特の何かのせいで必要以上に可愛く見える

制服も似合ってるからかな






『何?俺は部員じゃないから詳しくわからないから、試合とかならあそこの「「「そ、そういうのじゃなくてっ!」」」






そうなの?と聞けば、ガチガチしながら3人から何かを押し付けられ、3人とも黄色い声をあげ、真っ赤な顔で逃げて行った



腕の中を見てみれば、可愛い布に包まれた弁当箱が3つ

食べてくれ、ってことなんだろう。

人と長く付き合わなくても自分はいろいろ物分かりがいい方だと思う


断食主義だけど、せっかくだから食べよう、とベンチに戻る





「ぜってー倒す!!……ってなんだてめぇその可愛らしい弁当箱!!」






『さっき可愛い女子にもらったのー』





そう言ってベンチに座り、手を合わせて食べ始める






「ふざけんな!!お前どっちの味方だ!!俺にも一口くれ!!」





『だーめ。俺の』




一年が食いかかり、弁当を背中で守る





「このっ……色男だからって生意気な!」





『ほうほう。君には俺が色男に見えるのね』




ち、違う!と顔を赤くすればすごい勢いで逃げて行った





全く……東京の学生はつくづく可愛いものだ












prevnext






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -