「テメーに拒否権はねーんだよ!!」 『アルヨー』 君がリモコンで俺の動作を操らない限りねー、と付けくわえるとさらに発砲する 「入れ!!」 『やだ』 もう、こんなことまでしないとわからない?と言い、彼に渡された入部届けを半分に破る 彼はショックを受けたのか、何かを大声で言う前に俺が先に口を開く 『あのさ…俺スポーツは嫌いじゃないから、入っても別にどーでもいーんだけど』 入部届け破るのはヤリスギ?自問しても自答するのは面倒 『そうやって無理矢理やる気のない人を入部させたって面白くないでしょ?俺はそんなんで、部員が増えても"君"が満足しないと思うんだよねえ…』 そういうと、先程の怒りとは違って、ただただ驚いたようだった 「それならお前が楽しめばいいんだろ」 『それもそうなんだけどねー…面白いって保障がないとやだなー』 だって、わざわざ俺が入部してやるんだよ?それなりの代金は支払ってほしい 「保障する」 どうしても入れたいようだ。 まるで子供だ…何されるか分からないから、無駄に不吉なものをジャラジャラ付けてるようで、逆に可愛く見える 『はい、そこまで。』 立ち上がり、マシンガンを片手で退かしてもう片方を彼の頭に置く またその豆鉄砲食らった顔 『入部しないったらしない。だけど、見学ならちょくちょく来るよ。それで俺がやりたかったら入る』 ね?と言うと、俺の手を鈍い音がするほどの勢いで払い除け、睨まれる 自然と上目遣いになるから、そうそう怖くはない。傍からそうは見えなくとも、慣れのせいだろう、誰から睨まれてももう可愛いとしか思えない体質になってしまったみたい 「ケッ、好きにしやがれ……だけどぜってー入れっからな」 『面白かったらね』 そう言って、その場を後にし、教室に戻って昼寝の続きをした そしてその午後は「アメフトに助っ人頼まれたぁぁぁ…」とトボトボ歩く運動部の男子を数人見掛けて、驚きのあまりに笑うしかなかった prevnext |