せっかく学校に来たんだ、暇つぶしに可愛い子の一人や二人探してみる うーん、好みの子がいない 何を楽しみにして学校へ来ようか、と連想してみる 女子目当て、というとただのタラシになってしまうよね 友達?面倒。 授業?論外。 『ん…』 首に刃物が刺さるような感覚 実物ならば痛覚が働くからもちろん、本当に刺されてはいないことは確か 俺に惚れたのはだーれだ、と表情を変えずに視線の元をたどる 数秒間お互い見つめ合う 偶然だねー、と言いたいところだが、人と話すのも面倒だからあえて何も言わない 視線を素っ気なく逸らすと今度は殺気も混ぜた視線を送られる もう、俺が何したの?とまた相手を見るが、怒ってはいないみたい 先程のジョークを思い出し、こんなタチ悪そうな奴に好かれたらどれだけ面白いだろうか、と喉を鳴らして笑う また外を覗く前に見た相手の顔は、まるで豆鉄砲を食らったような間抜けた顔 prevnext |