数日後、泥門高校への入学決定。

調度、進学時に入学したもんだから気難しい紹介もしなくていい。




制服をテントの中で着て、大事なものを鞄に放り込む。

特にないから軽い軽い。

テントも盗まれるものはない。誰もこんなズタボロのテントと寝袋いらないでしょ…



鍵をかけていた自転車を開放し、風を感じながら通学路を走る

あー、めんどうだ。学校だなんてロクなことありゃしない。



人と長居するのは好みじゃあない、と溜め息をついて、坂道を登りながら上を見る



やーっぱり。雲がたくさんある。






***







自転車をポールに鎖で結びつけて校門を目指す



人がたくさん……まぁ、人数は関係ない。これよりひどい人混みは体験済みだ。


チクチクと背後から視線の針を感じる

すべての人の小声が俺に対してのものだと思えば苛立ちというより面倒だという感情の方が強い。

元から怒ったりするのが嫌いな俺は、怒らない代わりに何もかもが面倒





何回溜め息を漏らしたか数えるのすら面倒になった頃にはもう教室の前にいた


2年1組……あーこーゆーのって大抵、1組にすっごーく真面目な仔ばっか詰まってるんだよな




『あーあ』






運の悪さに、もう苦笑するしかない


なるべく音を立てずにドアを開け、端っこの席に座る


また視線の雨


ここまできたら皆俺に惚れた?と開き直って、自分で思ったジョークに小さく笑って外を見る




心なしか雲が増えてるような……




なんで増えるんだよ、と眉を八の字にして視線を教室の中へと映した













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