「一着!」



大胆に最上階のドアから転がり入ったのはモン太。


「華麗に残り一粒!!」


どうだとでも言わんばかりに見せびらかしてる

そんなことする暇あるなら早く渡さないと…「今溶けたぞ」


ほら


「ムキャー!!」


「セナ君あがりー」


栗田がセナ君の氷でかき氷を作り始める。結構残ってたんだ。



「おつかれー」


セナ君に近づきコテッとアイシールドを小突く


「あ、はい!名前さんもなんかお疲れ様です」


「うん。何もしてないけどね」




「モン太君あがりー」


「は、早い…」


「こういうエース並みの早さを試合に出したらいいのにねー」


***



そのあと、小結君や、例の三兄弟まで合格した(何してんだろ)

もう夜だよ。なんでまだここいるの俺達。


「あー疲れたー」


「もう下、誰もいないよ?…皆帰っちゃったみたいだし…」


「あららー…そうなの」


床に寝転がって目をつぶったまま返事をする。

このまま寝てしまいたい。が、妖一が絶対させてくれないだろう。


「引き上げだな」


「早く帰って寝る」


「お前はそれか。」


―べしゃあ!


「冷たっ!」



突然顔にかかった水に驚いて飛び起きる

何事かと思えば、なんと!誰かがこんな時間になってまで登ってきたのであった!


皆対応に困ってると妖一は「なんだこりゃ全部溶けてんじゃねぇか」とひとあしらい。

だが、入って来た彼は汗だくで、息が荒いまま床に倒れこんでいた。



妖一はというと、栗田のかき氷機から氷一粒とってバケツの中に放り投げた




「お、一粒だけ残ってんぞ」


「よかったねー」


糞ハゲ合格!の合図でその子は入部決定、皆そこで解散とした。





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