キセ黄


 帝光幼稚園にはアイドルが居る。
 齢五つにして見目麗しく、陶器のような白皙は滑らかで細くしなやかさがある。鼈甲のように透き通った蜂蜜色の瞳は丸くて大きい。それを縁取る睫毛は付け睫毛で誤魔化す必要性を感じぬ程に長かった。向日葵色の明るい髪は一本一本が絡まることなく頭部を覆う。風が吹けばサラサラと靡き、陽光が降り注げばキラキラと反射させる。
 そんな容姿も然る事ながら性格も人懐っこいようで、また明るく元気もある。その為友人も多く、保護者達からも人気があるようだ。勿論、それは教諭陣とて例外ではなかった。
 そのアイドル――黄瀬涼太の一日は、こうした事からいつも慌ただしいのである。
「黒子っち! おはようございますっす!」
「はい、おはようございます。涼太君」
 毎日ローテーションで行われる送迎バスの乗務員は、黒子テツヤが本日彼のエリアを担当するようだ。最も子どもが多い地域だが、黄瀬に会えるので誰一人として苦に思った事はない。
「黒子っち、ねぐせついてるっす」
 直してあげるね、と笑う黄瀬は底抜けに可愛い。そして一生懸命短い腕を伸ばしてくる仕草もまた然り。
 乗降口近くに設置された補助席と対面する席が黄瀬のお気に入りの場所だった。
 バスが赤信号で停車したのを確認すると、黒子は自らの膝に対面するように乗せる。しっかり腕を回して落ちないよう細心の注意を払うが、夢中で寝癖を直してくれる黄瀬が腕を伸ばして密着する事によって黒子は鼻が熱くなるのを感じていた。
 ふわふわと香るのは柔軟剤かシャンプーか、将又はたまた黄瀬自身の匂いだろうか。何れにせよ、良い。
(このままドライブにしませんか青峰君)
 バックミラー越しに目が合った本日運転手の青峰にアイコンタクトを取るが、今にも射殺しそうな眼で凄まれてしまった。それもその筈である。青峰もまた、黒子同様に黄瀬を可愛がっているのだ。
 結局幼稚園に着くまで黄瀬は黒子の膝の上を占領していた。

 教室に入ると友達と挨拶を交わしながら自分の席に着く。入口横の棚の上には雑貨屋に売っている小さなイーゼルとそれに合ったサイズのキャンバスが飾ってある。そこには緑色のペンで「みどりま せんせい」と書かれていた。
 これはこの幼稚園が他と違う事の一つである。教諭は担任を持たないのだ。これも毎日ローテーションでクラスの担当が変わる。このシステムは黄瀬が入園する前からあった。全園児を覚えること、より客観視出来ること等メリットはある。しかしその分教諭陣に掛かる負担もデメリットも存在するが、慣れてしまえば案外どうという事はない。新米は実習と全く違うので非常に焦るがそれも一種の恒例行事となっていた。
「今から皆にラッキーアイテムを配るのだよ。今日は一日肌身離さず持っているように」
 緑間が室内に姿を現すと同時にリアカーを引いた高尾が姿を見せた。元気一杯の「はーい」と言う素直な返事を聞けば緑間は満足げに笑う。
「真ちゃーん……オレ、今日はぱんだ組だって朝の職員会議で言われたの聞いてた? ねぇ」
「名前を呼ばれた者から取りに来るように」
「聞いて!」
 こんな遣り取りは緑間が担当した教室では茶飯事である。それを園児はキャッキャと楽しげに笑うのだ。それはそれで構わないがお陰で高尾クラスは〈朝は遅刻〉と言う不名誉極まりないレッテルを貼られてしまった。
「涼太。今日のお前はこの『オレンジのアメリカンファジーロップの耳』なのだよ」
「あめ……?」
 きょろ、と瞳を丸くしながらこてんと首を傾げる黄瀬に緑間は黄瀬の頭にカチューシャを着けた。
「アメリカンファジーロップ。ホーランドロップとフレンチアンゴラを交配させた種なのだよ。原産国はアメリカだ」
 緑間の説明に益々疑問符を飛ばす黄瀬の頭を優しく撫でる。
「兎なのだよ」
「うさぎさんっすかぁ!」
 漸く理解出来たことが嬉しいのかぱぁっと花が開花したような笑顔を見せた。
 オレンジと言えども見た目は薄い茶色である。
「うさぎさんっすー!」
 ぴょこぴょこ跳ねる黄瀬に表情筋が緩くなる。けれども何とか口角に力を入れる事でだらしない顔を見せずに済んだようだ。
 ゴージャスな子犬と形容される事もあるこの兎は、黄瀬にぴったりだと胸中で何度も頷いた。流石おは朝である。これで益々緑間は虜になるだろう。

 お昼の時間はほぼ毎日給食だ。月一でお弁当の日が来るが、その日も食べる場所はランチルームと決まっている。
 本日の給食係の女の子が「てをあわせてください」と言えば一斉に小さな手の平を合わせる。様々な人達への感謝の言葉をつらつらと述べ、漸く「いただきます」にありつけた。揃って元気良く食前の挨拶が響くと男児は一気に食物に食いつく。
 緑間がボロボロと零しながら食べる隣の男の子の世話を焼いている間、黄瀬は端っこの席で浮かない顔をしていた。
「涼ちん? 食欲ないのー?」
 黄瀬の隣にヤンキー座りでちょこん(この様な擬音が適切か不明な座り方だが)と座った紫原が不思議そうに尋ねる。紫原と言えば、園内で最も背の高い人で有名だが、それと同時に最も早く昼食にありつける事でも有名であった。その分昼休みも早く訪れ、実質長い休み時間が訪れるので園児に大変人気の教諭だ。
 高身長の紫原は座っても行儀良く椅子に座る黄瀬を見下ろす余裕がある。それでも園児が威圧感を感じないのはその間延びした話し方とのんびりとした性格故だろう。
 紫原の質問に黄瀬は小さく首を振る。
「涼くんね、にんじんさんにがてっす」
 そう言って野菜スープに入っている花形の橙色をツン、と小さな箸でつついた。
「そっかー、涼ちんは人参が嫌いなんだー」
 オレが食べても良いけどー。その言葉に黄瀬はぱっと目を輝かせる。けれども紫原は「でもだめー」と直ぐに期待を裏切った。
「涼ちん、今日は人参さん食べられるよー?」
「むりっす」
「大丈夫」
「むりっす」
「平気」
「むりっす」
「だって涼ちん、今日は兎だしー」
「あっ!」
 一日肌身離さず持つことを律儀に守っている黄瀬の頭には、今朝緑間から貰った兎の耳がある。手触りの良いもふもふした耳を小さな手が触れる。
「おれ、がんばるっす!」
「じゃあ、特別に先生も手伝ってあげるー」
 そう言うや否やお椀と箸を代わりに持ち、人参を箸の先に突き刺した。行儀が悪いのは承知だが、如何せん大きさが全く合わない食器を扱える程紫原は器用でない。それに二メートルを越える彼が一メートル行くか行かないかの子ども用食器を操るのは裸眼の緑間が針に糸を通すくらい不可能に近いのだ。
「はい、あーん」
「あー……んっ」
 きゅ、と目を瞑り小さい口を頑張って開ける。その中に人参と少し多目に白米を入れた。
 顎を動かして咀嚼し、白い喉が上下に動く。ややあって黄瀬はゆっくりと瞼を開いた。
「たべたっす」
「うん」
「にんじんさん、たべられたっす!」
「涼ちん偉ーい」
 いい子いい子ー。大きな手の平にすっぽり収まる小さな頭を潰さないように撫でる。力加減はしているが丁寧な動きとは言い難い。その結果として、キレイに整っていた髪はぐちゃぐちゃになってしまっていた。
 けれども黄瀬はそれについては何も言うつもりは無いらしい。それよりも苦手な人参を食べられた事が何よりも大きな喜びとなり、彼の心中を支配していた。
「緑間っちにあとておしえるっす!」
「そーだねー」
「ありがとうっす、紫原っち!」
 にこ、と屈託のない笑顔を向ける黄瀬に一瞬目を見張る。わなわな震えるのを耐え抜くも衝動は止められ無かったらしい。
 ぎゅーっと小さい体を抱き締めて、「涼ちんが頑張っただけだし」とありとあらゆる感情をその言葉に込めた。どうにかして理性が働いてくれたらしい。

 人参を食べたと自慢気に話す黄瀬は現在理事長の膝上で上機嫌だ。
 そうか、凄いな。偉いな。いい子だな。等、子どもにも伝わる褒め言葉を並べながら左手で黄瀬の頭を撫でる。厳密に言えば、乱れた髪を手櫛で直している。それが気持ちいいのか黄瀬は眼を閉じ身を委ねていた。
「赤司っちはにんじんさんたべられるっすか?」
「勿論」
「うさぎさんじゃないのに?」
「もう大人だからね。兎さんの力を借りずとも食べられるんだよ」
「赤司っちカッコイーっす!」
 くるりと上体だけを動かして赤司を見上げる。その瞳は丸でヒーローを見つめるかのようにキラキラしていた。
 只でさえ上目になると言うのに。園児ながらあざといな、と赤司は小さく笑みを漏らす。
 握っていたペンを机に置き、社長椅子宜しく革張りの如何にも高そうな椅子の背凭れに体重を預けた。
「おつかれっすか?」
「ん? そうだな……」
 心配そうに見上げる黄瀬に笑って返事をすれば一層心配する色を強めた。
 んしょ、と赤司の膝上でもぞもぞ動いたかと思えば、対面するように座り直す。今朝の送迎バスと同じスタイルだ。
 そして赤司の体と肘置きとの隙間に立ち、小さな手の平が赤司の頬に触れた。両手で包み込むようなそれに、思わず赤司は瞠目する。
「涼太?」
「赤司っちはおめめとじるっす」
 珍しく真剣な顔で此方を見るものだから、理由を訊く前にそれに従った。せめて転げ落ちないようにと指を絡めて輪を作る。
 何をしてくれるのかと期待していると眉間にふに、ととても柔らかい、けれどもしっとりと潤いのある何かが触れた。それが何なのか分からない程子どもではない。
「涼太?」
 ゆっくりと瞼を開けると満面の笑顔が移り込む。ああ、眩しいなと一瞬だけつい目を細めてしまった。
「おつかれがとんでっちゃうまほーっす!」
 嬉々として語る小兎の魔法使いは強ち嘘でも無いらしい。事実、飛んだのだ。純粋な行為が今までの疲れもストレスも全て吹っ飛ばしてしまった。しかし同時に邪念が生まれたが幼気な彼を目の前にそれが表へ出ることはない。
「おとーさんにおしえてもらったっす」
 対面したまま再び赤司の膝に腰を下ろす彼の表情はそれはもう得意気である。
(お父様は毎日これをされていらっしゃるのか……羨ましい)
 けれども教えてくださり心より感謝申し上げます。ポーカーフェイスの彼からはそんな事を内心考えているなど誰も気付けないだろう。
「また明日もお願いしていいかい?」
「もちろんっすよ!」
 黄瀬は昼休みになれば必ず赤司の元へ訪れる。始まりは偶然だったのだが、それ以来続いているのだ。原因はそのアイドル性が生み出すモテっぷりである。
 感情表現がどストレートな園児達から毎日熱烈なラブコールを受けているのだ。それも男女問わず。そんな彼が昼休みに追い掛けっこ宜しく逃げ回り、偶然逃げ込んだ場所が理事長室であった。
 だから決まって黄瀬の昼休みは赤司の膝の上なのだ。仮に誰かが来ても体勢を低くして赤司が椅子を手前に動かせば、すっぽり机と膝の間のスペースに収まるので隠れるのに丁度良い。それがお気に入りの理由でもあった。

 帝光幼稚園は午前九時から午後三時迄である。そこから先は〈お預かり保育〉と言う名目で遅くまで預かるサービスを行っていた。勿論別途料金が発生する。
 そして共働きの黄瀬は毎日遅くまで幼稚園に残っている。今日も例外ではなく、午後七時前にはとうとう一人になっていた。
「涼太ぁ」
「青峰っち!」
 絵本が沢山置いてある図書スペースでぽつんと一人静かに本を開く黄瀬に青峰が声を掛ける。
「体育館行くか」
「いくっ!」
 途端、寂しげな雰囲気は何処かへ霧散しその表情にまた明るさが戻る。
 青峰は黄瀬が一人になる頃に現れては体育館へと誘う。そこでやることと言えば一つしかない。バスケである。
 当然七号サイズなど、一般人が扱う大きさは使わない。子ども用に作られたオモチャかと思ってしまう程に小さいボールが青峰の浅黒い手に収まっている。
「わんわんっ! 青峰っち、わんわんっす!」
「へーへー」
 別に犬が居るわけではない。黄瀬はまだ「ワン・オン・ワン」と上手く言えないのだ。勿論意味も分かっていない。青峰と一緒にバスケをする、と言う意味合いで取っているようだ。
 幼稚園児にしてはドリブルが非常に様になっている。大人顔負けだ。それもその筈である。学生時代はその世界で名を馳せた青峰が直々に教えているのだから。更に飲み込みの早い黄瀬の成長は目を見張る物がある。
「涼くんもね、はやく青峰っちみたいにボールぽんぽんしたいっす」
 口で言うより実際見せた方が早いと知ってから、普段自身が使うボールを以てドリブルやハンドリング、シュートを見せて教えていた。黄瀬もその動きをじっと見つめ見様見真似で行動に移す。精度はまだまだだが形としてはその日の内にちゃんと出来ているので青峰も教え甲斐を感じていた。
 因みに『ボールぽんぽん』とはシュートの事だ。
「もっと一杯練習して上手くなれば出来る」
「ほんと?」
「ホント。後、その為にもおっきくなんねーとな」
「涼くんがんばるっす! 紫原っちみたいにおっきくなるっす!」
「いやそれだけはマジ勘弁」
 あそこまで巨体になられてしまっては男のプライドが……と一人愚痴るもそれが黄瀬の耳に入ることは無かった。
 きょとんと目を丸くする黄瀬に「青峰っちもおつかれっすか?」と尋ねられ「青峰っち『も』?」と、マ行オ段で構成される助詞を強調して聞き返す。
「赤司っちもおつかれだったっす。だからおひるにまほーかけたんすよ!」
「どんな?」
「ここにちゅーってするっす!」
「……」
 青峰をしゃがませて黄瀬が人差し指で彼の眉間を撫でる。同時に眉間に皺が深く刻まれた。
「青峰っちのここぎゅってなってるっす! くるしいっすか? いたいっすか?」
「は?」
 黄瀬もまたしゃがみ込んで下から見上げる。予想だにしていなかった言葉に素っ頓狂な声を上げてしまった。
「くるしかったり、いたかったりしたらここがぎゅってなるっす……」
 自分の眉間をするりと撫でるその顔は影が差していた。
「涼くん、わがままいっちゃったっすか? ほんとは青峰っちおつかれなのに、がまんさせちゃったっすか? 涼くん、わるいこ……すか?」
 目の中で反射する光が揺れるのは、その瞳に水の膜が張られていたからだ。いつ零れてしまうのかも分からないそれは辛うじて留まっているという印象を受けた。
「涼太」
「涼くん、いけないこっすか?」
「涼太、オレがいつそう言った?」
「……いってないっす。でも、おとなはみんな、なにもいってくれないっす。涼くんがこどもだから、いってくれないっす」
 まだ小さいながらもキッズモデルとして活躍する黄瀬は、大人が子どもの前では見せようとしない場面に幾つか遭遇してしまった事があるのだろう。
 子どもの前では言いたいことを自粛する大人が殆どだ。勿論それは青峰も例外ではない。今日だって黄瀬の迎えが来れば帰路に就ける訳でもない。職員室に籠もって暫し残業だ。日付を跨ぐ前には家に居られるだろうが就寝は日付を跨ぐだろう。
 けれどそれを小さな子どもに愚痴った所でどうこうなる問題ではない。その上、今の黄瀬は自分せいで青峰が残って居るのだと変に責めそうな気さえする。
「涼太が居るからオレは頑張れんの」
「ほんと?」
「ホント。涼太が一緒にバスケしてくれっからオレは毎日楽しいぜ。ありがとな」
「青峰っちのめーわくじゃないすか?」
「全然」
「涼くんのことすき?」
 一瞬息が喉の奥に詰まる。
 純粋に訊いているのであって他意はない。それは十二分に分かっている。それでも青峰は騒ぎ出す動悸に内心焦っていた。
(それは反則っつーか何つーか、ガキのくせになんかエロいぞコイツ)
 丸で彼氏の気持ちに不安を覚えた彼女のような口振りに青峰の心臓は不意打ちを突かれていた。
(んな不安そうな顔すんなバカ)
「……好きだ」
 ぎゅ、と小さな体を抱き締めて耳元で囁いた声は思った以上に低かった。子どもに伝えるべき感情ではないそれが乗せられている声音だ。
 やべーと焦った所で黄瀬がそれに気付く筈もなく、「涼くんもすきっす!」と無邪気に抱き締め返してきた。
 幾つ離れているかなんて計算するのも馬鹿らしい。それでもつい、「二二歳差って犯罪か……?」と子ども体温で暖かい体を抱き締めながら真面目に考えてしまうのは仕方がない事かもしれない。
 ふわりふわり。漂う良い匂いに、今朝のバス内の出来事や頭上のウサミミ、そして人参や昼休みの話を思い出して知らず知らず溜め息が漏れた。
 どうやらこの道は荊の道よりも蛇の道よりも相当険しいようだ。



【すいません上記見直したら単体、複数と書いてあったのに気付いてもう一度書きました! 設定、シチュは幼稚園児黄瀬くんを先生キセキがめちゃくちゃ可愛がる話がみたいです!】
なっっっが!長いっ長いよ!!
どうしても相手が複数だと長くなってしまいます。うまくスキッと纏める文章力が欲しいです。
ショタ黄瀬、書いていて楽しかったです。自分の幼稚園の頃を思い出しながら書いていました。年中から新しい建物に移動したのですが、図書スペースは年少時の記憶の方が残っているんですよねー…。不思議。確か図書室と言う感じの部屋は無かったような…。ホールと一緒にあったのかな?ん?
組の名前が動物(ぱんだしか出てませんが)なのは私が通っていた幼稚園がそれだったので。幼稚園によって組の名前が違うのもまた面白いですよね。多いのは植物かな?
ショタに手を出すとダメですけど、もっと大きくなってからなら…。今は年の差婚なんてザラですし!

>わざわざ再リクエストしていただきありがとうございます。お手数をお掛け致しました。
次回行う際はもう少し分かり易く表記するよう心掛けます。
リクエストありがとうございました。


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