日曜日の12時。私はすることも無かったのでコンビニまで散歩することにした。弁当とお菓子買って食べる。


途中、近くの大きな公園の中を横切ったとき事件は起こった。

聞き覚えのある声に名前を呼ばれて振り替えったのだ。そこには3年間ずっとクラスが同じの森山がいた。

「あんた、なんでここに居んの。」


ほんとなんでここに居るのか。森山に絡まれると面倒なのだ。まあ、だからと言って嫌いと言うわけではないが。絡みやすいのは良いことだ。


「奇遇だね、怜ちゃん!」

うざいぐらいに笑顔で話しかけてくるからイラっとして口から罵声が飛び出した。

「うっせえばか、しね」

「ひどっ」

傷つきました、とでも言うようにあからさまに空気をどんよりとさせた森山だが、3年も付き合いがあれば嫌でもわかる。別にそこまで傷ついていない、むしろこの状況を楽しんでいる。彼はMなのか、違うと信じたい。


「…それでなんで森山はこんなとこ一人で来てるの」

先ほど聞きそびれたことを聞いた。森山のことだからなんとなく予想はつくけど。

「ああ、女の子ウォッチングにね!そして声をかける!!」

「へーそうなんだーじゃあ続きがんばれー」

やっぱりな。そんなことだろうと思った。私は気持ちを込めずにそういうと足早にそこを立ち去ろうとした。

「ちょちょちょ、待ってよ怜ちゃん!これからどっか行かない?」

はい?今なんて?

「…なんで私なの。私より可愛い子いっぱい歩いてるじゃん。」

わりと人が通ることが多いこの公園だ。可愛い子なんてたくさん通るのだ。その中でなぜ私を選んだのか。

森山可愛い子と付き合いたいって言ってる割には時々行動がおかしくないか?自分からチャンス逃してると思うよ?

「俺が怜ちゃんが一番可愛いと思ったから」

森山の口から出たのはとんだ口説き文句で。

「…っ」

卑怯だ。いきなりそんなに真面目な声で返されるとは思ってなかった。いつものようにふざけた解答が返ってくると思っていた。

その言葉に思わずドキリ、とした。いつも馬鹿なことばかり言ってるが森山は相当イケメンなのだ。悔しい。

「ね?ダメ?」

もう一押し、とでも言うように訪ねられた。

「…5時から笑点見たいからそれまでなら」

必死に取り繕って取り繕って出た言葉はそれだった。普段笑点は録画してるから別に5時に帰る必要は無かった。

というか、用事があるからとか言って断ればよかったのになんで断れなかったんだろう。

「よっしゃ!じゃあ行こっか!」

腕を捕まれて優しく引っ張られた。手を繋いだまま私の歩幅にあわせて歩いてくれる。

森山のくせに。なぜだか緊張して思うように話せないし、顔は熱すぎるし意味がわからない。こんな森山知らなくてよかった。

胸の鼓動がやけにうるさい。


20140105

 

 

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