※生理ネタ注意



「腹痛い」
教室の硬い机に突っ伏して、唸りをあげた。友の一大事だというのに、前の席の森山は私を気にすることもなく椅子に跨ってスマホをいじっている。一回しねばいいのに。

「森山…」
半ば死にそうな声で名前を呼んだら、森山は漸くスマホをから視線をあげて私を見た。普段ニヤニヤしてる森山の顔がいつになく真剣で、もしかしたら心配してくれてるのかもしれない。

「何?便秘か?」
「しね」
一瞬でも期待した私が馬鹿でした。



「しねはないだろ!便秘じゃないってことは生理か」
「森山他の女の子が生理の話してたら赤くなるくせに私が話しても赤くなんないよね」
「だって俺、怜のこと女だと思ったことないし」
「10回くらいしね」
「俺の知ってる女の子はしねとか言わない」
「私も小堀くんとかには暴言吐かない」
「お互い様だろ、それ」
呆れたように森山が言う。ま、それもそうかと一人納得したところで、朝買って来た飲み物を飲み干してしまったことに気づく。昼休みもそろそろ終わるし、早めに買ってくるか、と私は立ち上がった。お腹が痛いのも大分マシになったかもしれない。

「じゃあ私飲み物買ってくるね」
「怜なに飲むの」
「紅茶。ストレートの」
「可愛い子紹介しろよ」
私に向かって森山は指を指した。

「は?何言って…」
戸惑う私をよそ目に森山は自分のカバンから財布だけ出すと席から立って教室を出ていった。

「女の子だと思ってないとかいったくせに」
赤くなる顔を誤魔化すように、再び机に伏せた。森山が本当はすごく優しいこと、私だけが知ってればいいのに。


20140909

 

 

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