ありすと!

これで帽子屋屋敷もあいさつ回りが出来ました!
「じゃあ私はこれで」
「本当にありがとうございました。とても助かりました」
深々と頭を下げる。
「それならよかったわ」
「また遊びに行きます」
「私も時計塔に行くことがあるかもしれないから、その時はよろしくね」
「はい!!」
アリスに見送られて帽子屋屋敷をあとに……するまえに門のところで双子に会った。
「あ、さっきのお姉さんだ」
「ボスに殺されなくてよかったね〜」
そう言って駆けてく――斧! 斧!
先ほどアリスが見舞われていた脅威に今私自身が直面しているッッ!
「あはは〜むしろ今この瞬間に斧を振り回してるあなたたちに殺されそうです〜」
「自己紹介がまだだったよね。僕はトゥイードルディー」
「僕はトゥイードルダム」
「蝋人形だと思ったのなら見物料を、人間と思ったのなら挨拶をですよねわかりますわかります。こんにちは! 私はゆりです!」
息を荒くしてにっこにこ笑顔でご挨拶する私。
「ねぇ兄弟、お姉さんがわけのわからないことを言い出したよ」
「怖いから切っちゃおうか」
すみませんネズミ―のあなた方が好きすぎてですね!!!
めっちゃかわいくねーですか!? 私あれだけで何時間かほど話せますよ!?!?
「頭からが良い? 足からが良い?」
斧をちらつかせながら迫ってくるブラッディなツインズさん。
「聞いてくれてとてもありがたく思いますどちらかというなら足の方が今後への影響は少ないのですけれどできれば切るという前提条件から見直していただけると恐悦至極です」
「と、とりあえず! これからよろしくお願いしますね! ゆりです! ゆり!」
「何回も言わなくても聞こえてるよ」
「こっちのお姉さんって頭があれなんだね兄弟」
あれとはなんだあれとは。もしや天才ってことですかね? それなら大当たりですけど。
「お姉さんって感じでもないね」
うるせえですよ、モンゴロイドは劣化しないんです。決して私が童顔なわけではないっす。
「じゃあ普通に名前で良いね。ゆり、よろしく」
「ゆり、よろしくね。あんまり帽子屋屋敷の周りで変なことしないでね。間違えて切っちゃうから」
――変なこと……。
私はまぁこれから様々なことをする予定なので、それが帽子屋屋敷面々のご不興を買う可能性は無きにしも非ず。
確認しておくのも大切だろう。えーっと、やろうとしてることで一番やばそうなのは……。
「お屋敷の測量って変なことに入ります?」
「……今なんて言ったの?」
「聞き間違いかもしれないからもう一回行ってくれる?」
笑顔で首に斧を突き付けられました。両側から。
ですよねーー。陣地取りのゲームしてますもんねーーー!!!
そのあと必死に誤解を解いた。

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