ありすと!

「ボス〜、余所者だよ!」
「余所者! 僕たちが捕まえたんだ!」
ばぁぁん! と扉が開かれるとそこはブラアリの聖地。ブラッド自室。素晴らしい。
「余所者、ね。また可愛らしいお嬢さんではないか。どうぞ、座りたまえ」
お言葉に甘えて座らせていただく。うーん、こういうマナー系まったくわからないんでお恥ずかしい。
ブラッドが目の前に座る。
うっわぁ流石公式で服がやばい族。やばい。平面(ゲーム画面)で見るとそうでもないけど実際見るとかなりやばい。
「ボス、ボーナス!」
「有給休暇!」
「お前たちは仕事に戻るべきだ。減給されたくなければな」
「ボスのケチーー!」
捨て台詞可愛いまじ卍。
「アリスは座らなくて良いんですか?」
「じゃあ失礼しようかしら」
アリスが隣に座った。
すごい脱線するんですけど、このソファってあれですよね。ソファですよね。
え? ソファ()ですよね、わかりますよねブラアリ族のみなさん。言いたいことわかりますよね。
――今はまだピーー!!!だからもう少ししてから……手を出されてから抱き着きにこよう……。
「お嬢さんの知り合いか?」
「先刻会ったばっかりだけど、そうね、知り合いよ」
私がめちゃくちゃに変態ちっくなことを考えていると、ブラッドが私に挨拶をしてくれる。
「初めまして、余所者のお嬢さん。私はブラッド=デュプレ」
「ゆりと申します。余所者です。時計塔にお世話になっています」
「時計塔……か。見かけとは違って、なかなかにやり手らしい」
ブラッドがその公式イケメンの顔でにやりと笑った。
「あの時計屋をたらしこむとは大したものだ」
――うわー姉弟で一緒のこと言ってますよ。よっしゃありがとうございます。
尊すぎて思わずガッツポーズをしてしまったので慌てて手はお膝。
「どうもです」
――どうもです???
自分の言ってることが良くわからなくなってきたが、『薔薇園ありがとうございます』というどうもですということにしておいてください。
はーーーそれにしてもブラアリ尊い世界一好き。

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