ありすと!

「さ、流石は猫……俊敏かつ性格悪い動きしますね……まるでステューディオーズジャパーンのロックンロールショー、フランケンシュタインハイタッチのような……」
「満足した?」
ぜいぜいと息をついていると、ボリスが笑いながら声をかけてきた。
「ありがとうございました。いつかリベンジさせてください」
「はは、俺の気が向いたときにね……よし、着いたよ」
そう言って建物の中に入っていくボリス。私達もそれに続く。
――元気の出るカラーの建物です……。
体力的に疲れ切った体に、いい意味でも悪い意味でも染み渡るビタミンカラーの内装である。
「おっさーーん!!!」
ボリスが大きな音を立ててドアを開ける。
「おっさーん、お客さん!」
――ひげ!
ひげの人がこちらを向いた。ひげ。うわー凄いです、ひげですよひげ。
日本人男性は基本おひげを生やしませんからね、少なくとも周りの男性にはいなかったので新鮮です。
「あ? ……こりゃたまげた」
ゴーランドさんは最初眉をひそめていたが、ボリスのにやにや顔にそそのかされて私をじっと見つめると“わかった”ようだった。
役持ちってほーんと便利ですよね。なりたい職業ナンバーワンです。
「初めまして!」
元気よくご挨拶をすると、ゴーランドさんは苦いお顔に。
「まさか二人目とはなぁ」
そりゃそうでしょうね。珍しい余所者が一気に二人も来るなんて異常ですもんね。
「俺はゴーランドだ。この遊園地のオーナーをやってる」
「ゆりです。余所者で、時計塔に滞在しております」
「え、時計塔!? そんなの聞いてないって!」
ボリスが話に食いついてくる。
あーーっっ懐かしいですこの感じ、時計塔滞在の話(2字創作含む)では必ず驚かれるのです。定番。
「あの時計屋が余所者を滞在させるとはな……いや、驚いた」
「時計塔なんか面白くないって。俺と一緒に此処に住もうよ、ね? 不自由はさせないよ?」
「それは居候のお前が言う台詞じゃねぇよ、ボリス」
インタレスティングの面白さとファニーの面白さの対立ですよね、わかりますわかります。
もちろんインタレスティングを取るので丁重にお断りをしておいた。
「ありがとうございます。でもやはりユリウスの所にお世話になろうかと思います」
ピンクの耳がひょこっとはねた。
今はボリスの好奇心より自分の好奇心が優先です、ごめんなさいませね。
「あんたが越して来たいってなら、遠慮は要らない。いつでも準備はできてるぜ」
「また遊園地にも遊びに来てくれよな」
「はい!」
その後色々お話をして、細かい情報をたくさん得た。
遊園地で売られてるお菓子の種類とか、改造された乗り物とか……。
ちなみにわたくし、絶叫系大丈夫な人です。ダイナソーがフライングしてるやつは神。
また遊園地も探索しなければなりませんね! 楽しみです!

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