おはなし | ナノ







運命なんてもの信じようとは思わなかった。

自分の道は自分で作れると思っていた。




しかしルセットに出会ったのは一つの運命だったのかもしれない・・・



「セブルスに会わせたい子が居るの」

リリーは緑の目を細めて笑いながらそう言った。

「あなたの事が気になっているそうよ?」

訳が分からないと言う顔でリリーを見るが、気がついたら会う日取りをされてしまい、あれよあれよと言う間にリリーは行ってしまった。



「会わせたい人か・・・」

正直リリーとの逢瀬の時間を邪魔されるくらいなら会いたくもなんともない。
しかし楽しそうなリリーを見ていたら、嫌とは言えなかった。





そして後に運命と呼ぶことになる日。



「私、あなたが好きよ、セブルス!」


深紅に黄金のネクタイを身に着けた彼女は言った。

何の冗談だ、と鼻で笑ってやったら
彼女は嫌味を物ともせず、ニッコリと微笑み

「一目惚れって本当にあるのね!」

と言った。




いつ思い出しても不思議な出会いだった、とスネイプは写真の中で微笑む彼女を見ながら優しく笑った。




(一つくらいなら信じてみようか)

(キミと出会った《運命》を)








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