03それでも | ナノ

03 それでも

 ポケギアを通して、僕は呼びかけた。


「ミナキくん」


『何だ?』


「突然だけど、今一番欲しいものって何?」

『本当に突然だな。ふむ、欲しいものか。スイ
「スイクン以外で」

 テンプレートすぎるミナキくんの答えを見通した僕の言葉に、ミナキくんは言葉を切らした。

『む……そうだな』


 スイクン以外に彼が欲しいものは何だろうか。そのことは純粋に興味があった。




『スイクンを追跡できるポケギアが欲しいぜ!』


 僕は人知れずため息をついた。
 多分これも、真面目に言ってるんだろうなぁ。


『この間ヒビキに見せてもらったんだ。スイクンは表示されてなかったが、ポケモンのしるしが瞬く間に動き回っていた!』

「……そっか」

 それでもやっぱり君はそうなんだね。
 それは安心感でもあるけれど。





それでも
(誕生日プレゼント、どうしようかな)

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