時をかけるN
□ 宣戦布告 1/11
「アカネちゃんに聞いてみたけど、ラジオ塔に迷子のポケモンが居たなんて報告はないって」
マツバがポケギアをしまう。
「やっぱりねー」
そんなことは分かっていたと言うように、コトネは頷く。
「ロケット団の仕業よ。決まりね!」
「そうは言っても、今ロケット団がどこに居るのか全然分からないよ。ラジオ塔の事件で、ロケット団は解散したって噂が流れてるくらいだし」
ヒビキは年の割には冷静な態度で、この問題に向き合っている様子だ。
「あと手がかりと言えば――」
マツバが言いかけたそのとき、部屋の襖が勢い良く開いた。
- 55 -
[prev|next]