時をかけるN
□ 一瞬のうちに 1/2
「ここはどこだろう……」
誰に問うでもなくそう呟いた。
もちろん彼のポケモン達はその答えを持ち合わせていない。
レシラムに乗ってあてもない旅を始めたが、ずっと飛んでいるわけにはいかないと降り立ったのがここだった。
随分遠くまで来た気がする。
「森……みたいだね」
小さい頃から連れ歩いているゾロアが小さく頷いた。
ヤグルマの森を思い出す、緑の世界、虫ポケモンの鳴き声。
辺りには背の高い木々が生い茂って空を隠しているため少し薄暗い。そして何故か、目の前には小さな祠があった。
「祠、かな?」
それは長い間ここにあるのだろうか、土や草で汚れていた。
しかし思わず目を留めてしまうような存在感があった。
それがただ物珍しいからというわけだけではないと、Nはすぐに気付かされる。
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